少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

155  痴漢に間違われた夜

昨26日のこと、新橋のキャバクラで痴漢扱いされてしまいました。
キャバクラなる社交場に過去10回ほど行ったことはありますが、いい思いをした試しは一度もなく、金額がやたら高いのと、結局はこちらが、キャバ嬢を楽しませるだけなので、積極的には参りません。されど、昨夜は同行した江戸侍・左兵衛氏のたっての希望でご一緒しました。
そもそも新橋から赤坂の店に移動するためにタクシーを拾おうとしていたところ、自称・立教大生というキャバ嬢から店のチラシをもらった左兵衛氏が「どうしてもこの娘と30分だけ飲みたい」とダダを捏ね出したのがきっかけです。「高いだけだから、迂回しましょ」と自重を促しましたが「拙者が(支払いを)持つ」と真剣なまなざしで懇願され、ついお付き合いしてしまいました。
で、ボーイに案内されて店に行くや、まあ普通のキャバクラ。料金は一人1時間5500円飲み放題+キャバ嬢のドリンク1杯1000円。キャバ嬢はドリンクをオーダーすると5分後に消え、また新手が来てドリンクをおねだりするというシステムなので、僕の場合「水でも飲んでて」と簡単にドリンクを飲ませないため100%キャバ嬢に嫌われます。
左兵衛氏の場合、自称・立大生の彼女を指名したため指名料2200円がプラス。「一期一会」と期する左兵衛氏は意気揚々として立大生と会話するも、彼女が一瞬席を外した隙に「よく見るとあんまり可愛くないですね」と彼。「だろ。だから言ったんだ」と僕。明るい店内でよく見るまでもなく「一期一会」の彼女とは最初から思えませんでした。
で、僕の横には無宗教で英文を専攻する立正大生が座り「ドリンクいいですか〜」と言うので「あなたが10分以上ここにいるならいいけど、5分で移動するならダメ〜」と言うと3分で速攻移動。10分ほど僕の横は空席になり「ちゃんとマンツーマンで女の子がつきます」という店のシステム説明とはえらい違うなあ〜と立大生に笑顔でチクリ言うと、今度は自称・大妻女子大生18歳が登場。
歯の治療で長年お世話になっている「愛知歯科医院」が大妻女子大のすぐ隣にあるため、地元話で盛り上がりドリンクを巡る駆け引きのさなか、突然、ボーイがやってきて僕にこう言ったのです。
「お客様、申し訳けございませんが、当店はおさわり禁止になっておりますので、女の子には触らないようにお願いいたします」
「あっそう、ごめんごめん・・・」
反射的に謝ってしまった自分も情けないのですが、いや、ちょっと待てよ・・・。彼女との千代田区三番町界隈の楽しい地元話から、正気に戻るのに約5秒くらいかかりました。
「僕、今、店員から女の子の身体に触るなとか注意されたんだけど、僕、君に触ったっけ?」
「いえ、ぜんぜん気づきませんでしたけど」
「ぜんぜん気づかないってことは、触られていないってことだよね。っていうか俺も触ってないし」
「ですよねえ・・・」
「じゃあ、君、ちゃんと店員に証言してね、触られていませんって」
「あ、はい、もちろん」
さあ、ここからは大変な騒ぎになりましたよ。なんせ痴漢扱いされたわけですからね。
状況を説明しますと、大妻大生は僕の右横に背もたれのない丸椅子にチョコンと腰掛ける状態。僕はその丸椅子の後方の部分に右手を置く状態でした。僕は最初からその状態でしたので、怪しく手を動かすこともせず、しかも彼女の尻と僕の手の間にはこぶしほどの距離があり、仮に彼女が屁をこいたとしても、すかしっ屁なら感じられないほどの距離でした。暗闇ならともかく、この明るさで、それをお触りと見間違うには、とても理解できず「おい、この店では客の座り方まで文句つけんのかい。いいから店長呼べ。責任者を連れてこい」と始まったのです、というか始めたのです。
そこから先は書けません。乱闘の時の星野監督だと想像してください。
結局「当然、金は払わん」「僕を痴漢扱いした店員の謝罪」「慰謝料100万」(これはウソです)を要求し、店員も素直に謝罪に応じたので引き揚げました。回りの他のお客さんには、迷惑をかけないようには心がけましたが、何人かは巻き込まれましたね。ごめんなさい。
しっかし、不愉快だったな〜。これが、キャバクラだからよかったものの、もし電車の車内だったら、どうなるんだろう。「それでもパパはやってない」という痴漢冤罪の本を買ったまま、まだ読んでいませんが、
ゾッとする思いです。
店員も僕と江戸侍が暴れている間は、身を隠していましたが、謝罪のため僕の前に出てくると実は真面目そうな好青年でした。「君は何を根拠に僕が触ってると思ったの?」と尋ねると「すみません、そう見えたのです」と言う。
冷静に話を聞く限り、彼に悪気はなさそうだし、初めての客に意図的にイチャモンをつけるメリットは店にも彼にもない。しかるに、やはりそう見えたのだろう。
今回は大妻大生が正直に「触られていない」と証言してくれたからいいようなものですが、もし、電車の中で、本当に痴漢が発生して、目撃者がこの悪意のない店員のように「そう見えた」と法の場で証言したら、それがすなわち「冤罪」に直結するのです。
以前、災害を避ける自己防衛手段として、プラットホームでは何者かに後ろから突き落とされないように柱か壁を背にする、先頭車両には絶対に乗らない云々とこの日記に書きました。僕は、痴漢の冤罪を避けるため、なるべく女性の近くは避け、荷物の無い時は両手で吊革につかまるようにしています。痴漢の冤罪を避けるには混んでる電車をなるべく避けることの他にはこれくらいしかないでしょう。
その後、急いでタクシーを飛ばし、赤坂の「歌楽歌良屋」に行ったのですが、ラストのショータイムが終わったところ(ここはオーディションを受けた歌手が歌うグレードの高いお店です)。客もぞろぞろと引き揚げてしまいましたが、なんと閉店間際に僕ら遅刻組2人のためだけに、歌姫たちはまた衣装を着替えてミニライブをやってくれました。さすが34年も続く、素敵なお店です。
さあ、僕らも終電で帰らねば、飲み足らなそうな江戸侍・左兵衛氏が「足が痛い、腰が痛い」とぶつぶつ言い出しましたが「いかん、俺は絶対に終電で帰るぞ」と先を歩いていると、もう彼の姿がありません。
引き帰すとアッチャ〜中国人クラブのオネーさんにつかまっている。
「おひとり様1時間5000エンで飲み放題です〜」の彼女から、強引に江戸侍を一度は引き離すも「これも一期一会でござる」と侍。「おっさんええかげんにせいや」とたしなめるも、おっさんガンとしてゆずらず、結局、のこのこと中国人クラブへ。
1本2000円の小瓶ビールをがっぱがっぱと親の敵みたいに次から次へ飲み干す英語堪能な中国人ホステスに「もっと上品に、もっとゆっくり飲みなさい」と苦言を呈すも「ワタシ、キンチョーしてる。ハズカシイだから、オサケいっぱいノムね」と彼女。僕らにあてがわれたジンロでもラッパ飲みさせたろうかと思いました。
で、一時間後の料金。僕は酔えなくて、ビールの数もしっかりカウントしていたので、予想通りの料金。ここでは書けませんが「えっそんなにお高いんですか〜」というおっさんの手を引いて店を出ました。
ところで先ほど、おっさんからメールがありました。「昨夜はありがとうございました。ところで明晩はいかがいたしましょうか?新橋あたりでも繰り出しましょうか?」と。脱帽でござる。