少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

219  中国より養老院視察団

中国で養老院を建設中の知人一行10名が、日本の施設の見学に訪れました。ご存じの通り、まだ中国では一部の富裕層しかビザが下りません。7月から多少は緩和されるそうですが、個人旅行は不可でツアーによる団体旅行しか認められていません。一行は昨19日に広州より成田に入り、本日午後、私の案内で施設を訪問しました。
旅行社のスケジュール上、午後1時から4時までの3時間しか自由時間がなく、この限られた時間内に少しでも異なったスタイルの施設を案内しようと思い、いくつかの施設と交渉しましたが、半分以上の施設に断られました。
その理由は「実際に居住されている方の迷惑になるから」というもので、まあいた仕方ないといったところでしょう。居住を前提とした見学なら大歓迎なのでしょうが、こちらも目的を偽るわけにはいきません。正直に目的を話しても、応対してくださった施設もあり、本日はそこを訪問しました。訪問先は以下の通りです。
午後1時。渋谷区との境界付近にある世田谷区北沢の「きたざわ苑」。公的機関の特別養護老人ホーム、いわゆる特養です。世田谷区立にして最高級ランクの施設。世田谷区民の入居希望ダントツのナンバー1で、入居できる確率は宝くじなみ。担当の岩上さんの説明では「要介護の老人に必要なのは一日1.5リットルの水の摂取、1500カロリーの食事、3.2キロの歩行」だそうで、これを日常に取り入れることにより自主排便などが可能になるそうです。
午後2時、世田谷区太子堂の「ゆめてらす三軒茶屋」。看護師のIさんの紹介。株式会社やさしい手が経営するショートスティタイプの施設。
以前、友人の板橋氏がここで移送運転のアルバイトをしていました。その彼は現在、中国でひとり旅。「本日、南京、桂林へ向かいます」と朝にメールあり。26日に広州で合流して数日間、僕の部屋に居候するそうです。生活相談員の佐藤さんの案内。
午後3時。淡島通りから茶沢通り経由で赤堤通りへ。小田急線の高架工事が終了して梅ヶ丘駅開かずの踏切が無くなり、スムーズに移動。
本日、僕が一番見せたかったのが世田谷区赤堤の「東京カベナント教会・のぞみ園」。ここは老人ホームではなくダウン症をはじめとする心身障害児童の自立を支援する施設です。1977年に開園して30余年を迎える。障害児童らがヘルパーさんらの協力でクッキーやパウンドケーキを焼き、それを販売することで利益を生み出し生活費にあてるというシステムだ。明日から2週間は北海道の農園に行き、無農薬の野菜を自ら栽培して、収穫後はそれを使い野菜クッキーを焼くそうだ。
施設主任の土屋綾子さんによれば、経済的に完全自立できる障害者が毎年、数人育つそうです。健常者でも職がない中、これは凄いことだと思いました。新安城に設立中のレトロカフェでも彼らのクッキーを販売しますので、支援のほどよろしくお願いいたします。
中国の病院でもこのようなシステムを取り入れて、障害者の自立と社会福祉を考えてもらうよう、来日した病院経営者に話しました。
さて、世田谷の細い道を我ら一行を乗せた大型バスはのろりのろりと世田谷区船橋へ。「ここは狭くて曲がれません」という運転手さんに無理を言って獣道を走る。33歳から17年もこの近辺をうろうろしているので庭のはずだが、新しい道が出来たりして少し様子が変わっていた。
4か所目の訪問先は世田谷区船橋の「ニチイホーム千歳船橋」。ここは東京で最初に家を建てた思い出の場所。チャミーとよく散歩した場所です。入居相談員の永倉さんの丁寧な案内。椅子に座った状態のままリフトで湯舟に浸かれるシステムなどを見学。入居費用は一時金がない場合、月額で最低36万円。「何でそんなに高いのか?」という質問に「やはり東京の土地代」が理由とのこと。建設費や施設費や人件費も中国とは比べものにならない。中国で36万円は都市部の若手サラリーマンの年収で山間部の農家の3年分の年収だ。
本日5か所目のポンシュール千歳船橋は、時間の都合で急きょキャンセル。ベネッセ系列の老人ホームで電話で丁寧に見学の依頼を快諾していただいたのに残念でならない。4時30分には新宿自由行動組をピックアップするために戻らねばならないそうで、あと30分余裕が欲しかった。
中国も日本同様に老人天国(地獄)に突入するためシルバー産業が注目されています。競争が激しくなれば、当然、差別化が要求されます。日本は行政の怠慢と天下り野郎の利権のため、多くの老人や介護家族がこれでもかという苦汁を飲まされているのが現状です。
日本の少子化とは違う意味で中国も強制的に少子化が進められています。今の中国の子供が40歳になった時、ひとりの子が2人の両親と両親の両親、つまり4人の祖父母の合計6人を支える計算になります。ひとりっ子同士が結婚してひとりの子をもうければ、夫婦共稼ぎだとしても2人の収入で12人の老人とひとりの赤子の面倒を見なければならない計算になります。中国も長寿になり、じいさんばあさんも長生きです。こんなことが本当にできるのでしょうか?日本の年金制度の崩壊をみれば、不可能であることは明らかです。
今さえよければいい。いや、今、ちゃんと生きることですら精一杯。僕だって同じです。でもね、また生まれ変わって、また地球にお世話になるわけですから、来世の寝床も確保しておかなければ・・・。欲張りの僕の発想です。
明日21日から6月4日まで中国・広州です。最近ハマっているブラックサンダー4箱(80個=2400円)お土産に買いました。あとは空港で「ひよこ」とタバコと酒を買えばよし。
また、パソコン環境が悪くなります。しばらく「日記」書けないかも知れません。本日、視察にご協力いただいた方々全員に感謝いたします。