少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

254  喫茶店設立状況17(凋落の名古屋牛乳)

後発の喫茶店だけに他店との差別化には、僕なりに全神経を全員集合させ全力で頭脳を絞り出している。店舗の内装、客寄せの企画、そしてメニュー・・・。限られた予算と時間、立地の中で後悔のないよう、出来る限りのことはしようと取り組んでいる。飲食店だけにメニューには、ことさら真剣に取り組むが、例えばランチ、「薄味の地産地消ヘルシー弁当」なるものを企画したが、「安城の人に薄味なんて受けへん」という複数の意見にあっさり挫折。「調味料のたっぷり効いた濃い目の脂っこい弁当でないと客なんてこーへんぞ」という複数の声に従うことにした。抹茶に出す和菓子なんかも、HTさんが2種類ほど試食品を持ってきてくれた。上品な甘さで僕は気に入ったのだが、安城の人には「もっと甘くないと・・・」とダメ出しされ、HTさんに伝えると「そんなのあたしの知ったことじゃないわ」と怒らせてしまった。いずれにせよこちらの思惑とニーズがかみ合わないから試行錯誤の日々です。
そんな中、メニューのひとつのミルク。原料の牛乳の銘柄ですが、僕は最初から「名古屋牛乳」と決めていました。
その理由は、子供の頃、親に連れられて行った名古屋駅のスタンドで飲んだことがきっかけでした。当時、安城市の学校給食はそれはそれは悲惨なもので、給食を食べるのがイヤでイヤでたまらなく、それが原因で学校に来れなくなった子供が何人かいたほどでした。かく言う僕も、給食にもれなくついてくる、あのナマぬるく独特の匂いのする脱脂粉乳がイヤでたまらなく、あのトラウマから、今でも白い牛乳が嫌いです。その話をしたら、古橋くんの奥さんのH美婦人が「私も同じ」とうなづいていました。僕らの世代の人なら理解できますよね。だからこそ名古屋駅で飲んだ名古屋牛乳は特に美味しく感じられ、その衝撃は40数年経った今でも忘れられません。
だから僕は名古屋地方に出かけるたびに名古屋牛乳を探すのですが、年を負うごとに、名古屋牛乳の販売網が激減し、入手することが困難になることを肌で感じていました。数年前、足助地方の販売店を訪ね、店主に懇願して名古屋牛乳の白い宅配用の木箱を譲ってもらい、今でも僕の書棚に飾ってあります。僕はそれくらい名古屋牛乳のファンでもあります。
明治や森永の大手はどこでも容易に入手できます。しかしながら少数派の僕としては地元でありながら入手困難な、名古屋牛乳を使用しようと最初から決めていました。
「名古屋牛乳、この近くで売ってるお店はないかな?」僕は母親をはじめ友人知人に訪ねました。「そんなもんどこでも売っとるがや。名古屋牛乳〜飲んでるかい!?の名古屋牛乳だろ〜」。みなさん、名古屋牛乳のCMソングはよくご存じですが近況をまったく知りません。名古屋牛乳はどこでも売っていないのです。母親に至っては「そんなものイト―ヨーカドーでいくらでも売ってるわよ」と豪語していますが、イト―ヨーカドーでいくらでも売っているのは名古屋牛乳ではなく名糖牛乳なのです。まあ、普通の人にはど〜でもいい話なんでしょうね、名古屋牛乳も名糖も・・・。イト―ヨーカドーの乳製品担当者に訪ねました。「今後、名古屋牛乳を販売する予定はありますか?」「ありません」話は2秒で終了しました。
もしも、イト―ヨーカドーで普通に販売されていたら、逆に僕は構想を変えていたかも知れません。販売されていないからこそ、メニューに出す意味があるわけで、これで100%決定と僕は判断しました。
さてさて、それではどうやって入手しようかな?数週間前、古橋が「ここにかけてみろ」と名古屋牛乳の電話番号が書かれたメモをくれたので、本日16日、そこへ電話を入れてみました。(続く)