少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

256  凋落の名古屋牛乳3

続きです。
名古屋牛乳のHPをネットで検索。なるほど、同じ白牛乳でも何種類もある。どれどれ、選択肢が多岐にわたり選び甲斐がある。もう一度言いますが、僕は子供のころからの名古屋牛乳のファン。
HPで目にとまったのが愛知産の乳牛を使用したあいち産牛乳と北海道産の乳牛を使用した北海道牛乳。HPでの紹介は愛知県産の厳選された生乳のみを使用したのが「あいち県内産牛乳」で北海道産の厳選された生乳のみを使用したのが「北海道牛乳」。それぞれの商品に、エネルギー、たんぱく質など細かいデータが記載されていたが、数値は見事に一致。違うのはパッケージの絵柄と商品名のみだ。味や特徴など一切、書かれていない。
明らかに違う商品なのに、そんなテキトーな表示はないだろう。僕はネットにあるお客様相談室に電話を入れた。ところが、これは古橋がくれた電話番号と同じで、先ほどかけた時と同じ受付嬢が出た。
「実は今、御社のHPを拝見したのですが、それぞれの商品の味ですとか特徴を知りたいので営業か、もしくは担当の方につないでいただけませんか?」
「味・・・ですか?当社の商品はどの商品も美味しく出来上がっております」
「いやいや、それはわかっていますが、濃さとか甘味とかまろやかさとか切れとか、それぞれの商品の特徴を知りたいのです」
「・・・それは飲んでいただければ・・・。それに人によって感じ方も違うと思いますし」
「まあ、それはそうでしょうが、せっかくきれいなHPを作られているので、もう少し詳しい商品説明があると有難いと思って・・・」
「かしこまりました、それではHP担当の者にそう申し伝えておきます。それでよろしいでしたかね?」
「いやいやそれでぜんぜんよろしくないよ。そんなやるかやらないわからないHPの更新まで待てないから、すぐに営業の人と代わってもらいたい。ちなみにあいち産牛乳と北海道牛乳の小売価格って教えていただけますか」
「小売価格は販売店さんによって違うので教えることはできません」
この時点で彼女の口調は明らかにクレーマーに対する口調になり、電話を早く切りたくて仕方ない、という感じでした。
「はいはい何でしたかね・・・」とプッツン受付嬢と交代で出て来たのが先ほどのオッサン(かなりの年配と思われる声)だった。
「いや〜先ほどの新安城の喫茶店の者ですが、仕入れ先が見つかったんですがね、今、御社のHP拝見しましたら、種類がいくつかあるので、味とか特徴とか知りたくてお電話したんですよ」
「あのね、味はみんないっしょです。牛乳っちゅうもんはそういうものです、ハイ」
「ちょっと、みんないっしょ・・・って、例えばおたくのあいち産牛乳と北海道産牛乳はどう違うのですか?」
「あのね、あいち産牛乳ってのは愛知県の牛からとれた生乳で作った牛乳で、北海道牛乳っちゅうのはね北海道の牛で作った牛乳っちゅうことを言うんですわ」
このオッサンに悪気はないのかも知れないが、もし電話でなく目の前にいたら確実に胸ぐらまで行っていたと思います。
「こっちが聞きたいのはそういうことじゃなくて、味なんですが」
「ああ、味はね、いっしょです」
「味がいっしょなら、北海道も愛知もないだろう・・・」
「今ね、地産地消とかいってね・・・、でも味はおんなじです」
「じゃあ、名古屋牛乳で一番売れてるとか、濃厚で評判がいいとか、そういう商品はどれですか?」
「ウン、だから何度も言うけど、味はみんないっしょだて。加工牛ちゅうのは、それぞれ味は違うけど、牛乳はみんないっしょ」
「んじゃあ、聞きますけど、加工乳じゃなければ明治も森永も農協も名古屋もみんな同じ味・・・ってことですか?」
「ほだよ、だからみんな牛乳買う人は値段で選ぶじゃんね。今はそういう時代ですから」
このオッサン、ホンマに名古屋牛乳の営業か?こんなのお客様相談電話に出してええのかい?
要約しよう。名古屋牛乳のお客様相談電話の対応に出たオッサンは「牛乳と名のつくものは明治も森永も名古屋も味は全部いっしょで、お客さんは値段で牛乳の銘柄を選ぶ。それがご時世だ」とはっきり言った。値段で選ぶということに関しては同意しよう。しかし、これは名古屋牛乳を、これからメニューに入れようと考えている喫茶店店主に発する言葉だろうか?社員同士が「風来坊」で手羽先でもかじりながら愚痴るならともかく、これじゃあ「どこのメーカーも同じだから安いヤツを買え」と言われているようなもの。
この投げやりな対応に、僕はついに切れた。
(つづく)