少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

496  化けの皮2

劇画「タイガ―マスク」に2通りの結末があることをご存じだろうか?僕らタイガ―マスク世代の男子はもちろん知っている(知らん奴はもぐりだ)。どちらも美しい話なので書きます。ぜひ読んでください。
孤児院「ちびっ子ハウス」で育った小学生の伊達直人は、日々、孤児院に取り立てにくる高利貸しの借金取りに業を煮やしていた。しかし、まだ子供の直人はいかんともし難い思いに悩み暮れる。ある日、孤児院の遠足で上野動物園へ行き、たまたまそこに居た「虎」と目が合ってしまう。そこで直人は「俺は虎のように強くなりたい」と引率のルリ子先生にひと言残しダッシュして行方不明になってしまう。
その直人の姿を物陰からこっそり見ていた「虎の穴」のスカウトマン、ミスターXが小学生の直人をかどわか(誘拐)し、虎の穴へ連れて行く。虎の穴がどこにあったのかは、邪馬台国の秘密と同じで原作にも明らかにされていない。一般にはインドのヒマラヤ山中という説が有力だ。当初、日本人は伊達とミスター不動の二人だけだった。
「虎だ虎だお前は虎になるのだ」という名ゼリフから始まる、テーマソングは当時の日本を震撼させた。なぜならそれは1941年12月の真珠湾攻撃の暗号「トラトラトラ」だからだ。敗戦後、マッカーサーのGHQから使用禁止用語として、長年、我々日本男児を金縛りにしてきた禁句だったからだ。しかし、僕らはタイガ―マスクによって、その呪縛から逃れ、日本男児の熱き魂を取り戻したのだと、はっきり自覚したのだ。その日から日本中の青少年は全員がタイガ―マスクになった。
「虎の穴」のトレーニングは今さら説明無用だろう。コールタ―ルのプールでの競泳、巨大回転ノコギリを背中に備えたルームランナーでのダッシュ、ヒマラヤ山中でパンツ一丁で24時間の逆さ吊り・・・。日々、何人もの訓練生が絶命する中、直人はあの憎き借金取りのオヤジを倒すだけのために、訓練に耐え生き延びる。卒業試験は本物の虎との一騎討ちだ。大好きなルリ子先生を泣かせた借金取りを虎に見立て、直人は虎の穴はじまって以来の最優秀の成績で卒業した。
そして虎の穴の最高の栄誉である「タイガ―マスク」を授かる。日本中の青少年は全員このシーンに泣いた。まるで自分ごとのように歓喜した。ところが、この物語の本当の凄さはここからだ。実はタイガ―マスクは極悪非道、反則の限りをつくす極悪レスラーとしてデビューしたのだ。
そして日本中の青少年はせっかく集めたタイガ―のメンコやカードを捨て、お手製のマスクも押入れに封印したのだ・・・。(つづく)