少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

466 化けの皮3

かくいう僕もタイガ―マスクのマントが欲しくて欲しくてロッテのフーセンガムを大量に買い込み応募して、見事ゲットした。しかし、写真で見たよりちゃちな代物で、首の部分をボタンで締めるのだが、僕の首が太すぎたのか、ボタンをはめるとチョークスリーパー(プロレスの反則技=首絞め)のようになってしまう。されど、宝物だったことは言うまでもない。猪木さんや馬場さんを神様だと信じていたあの時代、極悪レスラーのタイガ―にどう対応したらいいのか?このマントをどうしたらいいのか?小学生の僕は悩みに悩んだ。
しかし、僕ら以上にタイガ―にはタイガ―の悩みがあった。実はファイトマネーの50%を虎の穴に上納(キックバック)せねばならぬ地獄の掟があったのだ。この掟を破った者に待っているのは「死」のみ。当初、タイガ―はこの掟を守っていたのだが、そんなある日、タイガ―は虎の穴の掟を反故にしてしまう。実は女のために使い込んでしまったのだ。
というのも大好きなルリ子先生の「ちびっ子ハウス」の経営が破たんしてしまい、ハウスは高利貸しに借金のカタとして明け渡すことになったのだ。ルリ子先生の涙を見た直人はそれが初恋だったと知る。いよいよハウスが取り壊される日、直人は駆け付ける。そして高利貸しのオヤジに言う。「きょうの夜まで待ってくれ、金はなんとかする・・・」と。
ついに言ってしまった・・・。直人は後悔するが、ルリ子さんの涙はもう見たくない。直人はその夜、後楽園ホールで行われた試合のファイトマネーをマネージャーのミスターXに渡さず、とんずら(持ち逃げ)した。そして高利貸しに渡し、ハウスは救われた。ルリ子さんは喜びの涙を流し、その晩二人は五反田のラブホテルではじめて結ばれた(と思う)。
しかし、代償は大きかった。「裏切り者・タイガ―マスクを撲殺せよ」の任務を受けた刺客たちが虎の穴から続々とタイガ―に襲いかかる。(つづく)