少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

492 次は死にますから

「次は死にますから・・・」と言われました。
検査の結果も良好で、前日、Dr・M嶋から「明後日(12/17)には退院できます」などと言われ、本日午前も「血液検査も問題ないので、明日退院、決定しました。手続きも全部やっておきましたので、とっととお帰りください」などと言われ、早々と荷物整理。明日、レッドキング・F島が僕の特注シューズが秋田(横手ジャパン)工房から届くから、届けますというので、じゃあ、帰りに家まで乗せてってよ、などと車の手配まで完了していた。
Dr・M嶋から、退院後のレクチャーも受けた。「とにかく絶対に無理しないでください」「無理しないでくださいとはどういうことですか?」「疲れたら休むということです」「疲れた、と、疲れていないという境界線がわからんのですが」「簡単に言えば、例えば、ずっと走っていたとして、疲れたら、歩くじゃないですか、その時が疲れた時です」「そりゃ君、分かりやすいけど、おらあ、ケニアの人じゃないから、走って日常生活してるわけじゃないんだよ」「そうですか、私にはわかりますけどね。つまり身体に聞いてみるんです。おい、疲れたか・・・って」「で、身体が疲れたよご主人さま・・・って言ったらどうするの?」「その時は休むんです」「世間ではそれをナマケモノと言いますが」「いや、私はいつもそうしていますが」「んなこと言ったら、私なんか、一年365日、休まないといけませんが」「でも、それは経済的にどうなんでしょう、生活が成り立ちますか?」「成り立ちません」「じゃあ、どうしたらいいんでしょうかねえ」「やっぱ根性ですか?」「いえ、根性とかはあまり関係ありません。むしろありすぎると今回みたいになってしまうので、できれば無い方がよろしいかと思います」「では根性無しの、ナマケモノ、ロクデナシになれと」「根性で頑張るよりは、その方がよいかと・・・」。
というわけで、私は昼食後、いつもなら読書と執筆をするのですが、Dr・M嶋のいいつけ通り、ベッドでごろごろ怠けていたら、コンシェルシェが来て「安藤サン珍しいですね」などと言われ、「今後、ベッドの上で生きる方法を考えている」などと冗談を言って笑わせた。
で、しばらくすると、長い滞在生活の最後を告げる「下肢部超音波検査」なるものに呼ばれ、歩いて検査室に行く。かつて、僕は自分の体内にある「人間電磁波」なるもので新品のパソコンを触れることなく6台破壊してしまった事実があるが、この日もついに国防省の超音波測定装置を破壊してしまった。すぐに別の機械を持ってきたが、そいつもダメ。結局、部屋を移動して別の機械で測定した。
で、その結果、左足下部に小さな血栓が確認された。かなり有能な技師でなければ見落としてしまうくらいのものだが「ああ、ここにありましたねえ」などと穏やかに言うものだから、こちらも「はあ、なるほど、それがそうなんですか」と穏やかに答えていた。
やがて検査が終わり「お疲れ様でした」などと言われ、扉を開けると可愛いコンシェルシェが笑顔と人力車でお出迎え。「えっ、これ何?歩いて帰るよ」「いえいえ、今から絶対安静です。VIP待遇ですから、さあ、どうぞ、お乗りください」「そ〜お、何だか悪いね」
で、部屋に戻ると、大量のコンシェルシェがお出迎えだ。「さあ、安藤さん、これからお部屋のお引っ越しです」「な、なんで?」「安藤さん、夢がかないましたよ。また明日からベッドの上で生活ができます」「???」僕はまた超VIPのスイートルームへ移動させられた。
「安藤さん、おめでとうございます。たいへんいいお知らせです」とDr・M嶋が満面の笑みでやってきた。「なになになに?」「とりあえず、明日の退院はなくなりました。もそっとゆっくりしていってください。そして今から24時間点滴を連続で6日間行います。なにかご質問は?」「あの、夏に買ったテレビのことで明後日、新宿のヨドバシカメラに行って、アンテナの件をどうするか、相談の予約入れたんですけれど」「う〜ん、それはどうでしょう。まあ、諦めてください」「あとクリスマスイブとかはどうしたらいいんでしょうか?」「こちらでケーキでもご用意いたしましょう」「で、チェックアウトはいつごろに・・・」「さあ・・・」
「まあ、今までは疑いだったわけですが、これで原因が確定されたので、治療法が見つかりました。肺塞栓に間違いありません。おめでとうございます」「いや、それはありがたいけど、年賀状とか書かなくてはあかんし」「それもあきらめてください」「そうですか」「じゃあ僕も安藤サンに出しませんから」「わかりました。せめて、日曜日に外出とかはどうでしょうか?」「この病気、次は死にますから・・・」