少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

533  ズーズー弁博徒来たる

さすらいのギャンブラーがやってきた。しかも通訳必要のバリバリのズーズー弁だ。「んだあ、おで、今、東京さ出てきってっから〜↑、アンドさに会いたくなっぺからにい〜↑どこさ行けばいいんだっぺや〜↑」愛すべきN会長は仙台から下道で1800万円の白いベンツを飛ばしてやってきた。
五分刈りのヤクザカットに黒ずくめの上下、金ブチ色眼鏡に金のネックレス、金のブレスに金の腕時計にごっつい指輪。だけど、靴はヨレヨレでズボンのすそは地面にこすれてデロデロになっている。どこからどう見ても田舎ヤクザそのものだ。
「そんでも、おでさあ、アンドさに悪いと思ってさあ、今、車っこ停めてからしてしゃあ、中のサツだけしゃあ、白いのにとっかえてきたんだっぺえ〜。こんでも、おで、アンドさに気ィ使ってるんだっぺや〜」
「会長の言ってること半分くらいしかわがんねえっぺや〜」と僕がひやかすと「んだこと言われてもちゃ〜、おでも困るっちゃね〜」と真面目に答える。なんとも可愛いオッサンだ。
「で、会長、昨日はいくらスってきたの?」
「あちゃ〜、アンドさ、厳しいっちゃね〜。おで、言わね。さんざ、みんなにバカにされてきたっちゃからねえ〜」
んんん・・・やけにコンシェルジュが部屋に見回りにくる。ヤクザの親分が僕の部屋に来たということでホテルのフロアは騒然とした。
本当は先月、見舞いに来る予定だったが、このズーズー弁ギャンブラーは見舞いの前々日に中山競馬場で250万円すり。翌日に前日の負けを取り戻そうとして200万円すった。2日間で450万円がパー。そう、この会長はクルクルパー人間なのだ。
「会長、いいから、いくら負けたか言ってみな」
「んだべさ、今回はさ、調教師が絶対に調子いいっつうからさ、買ったんだっちゃ〜」
「寝言はいいから、いくら負けたの?笑ってあげるから」
「いいんやさ、負けたわけじゃないんだよ。2着には来たからさ、おでの馬が・・・。だけど1着と2着が逆に来てくれればさあ〜ん。800は取れたたんだっぺよ」
「会長、前説が長いよ。結局は負けたんだっぺや〜」
「いんやさ〜、おでの馬っ子はちょうす(調子)えがったんだっぺ〜」
「それで、2着でいくら勝ったの?」
「ン、一応100はとったんだよ」
「で、いくら買ったの?」
「いんやさあ、おでの馬っこがさ〜1着になればさあ〜」
「いくら!」(怒)
「200です。しゃあ〜〜〜」(涙)
ぼくは爆笑してあげました。最盛期に会長は23頭の馬主で、相当儲けたそうだが、今は7頭しか所有していないそうだ。最盛期は馬一頭につき毎月かかる維持費が100万円弱。現在でも一頭につき一月60万円はかかるそうだ。ぼくは仙台の会長の家に泊まったことがある。ひとつの部屋が馬の写真とトロフィーやらなんやらで埋もれていた。
こんな人に限って普段の生活は質素だ。出された食事はご飯とみそ汁、焼き魚と何十種類もの漬物。「焼き魚はアンドさが来たから特別」で、普段は漬物だけでご飯を食べるそうだ。
「アンドさ、何かいい儲け話ないっぺか〜」というので「何も聞かずに私に500万預けなさい。中国ビジネスで使ってあげるから」と答えた。
「ん・・・おでの馬っこが1着に来てたら・・・それでも良かったのになあ・・・」とオッサン。
先月来た時は、とうとう常宿のサウナ(一泊2500円)に泊まる金もなくなり、仙台に帰ったが「もう仕舞いにゃさあ、アブラ代(ガソリン)も無くなってしゃあ〜、最後は1000円ずつ入れて、車っこさ、走らせたんだよ〜」とどうしようもない。
だから僕はいつも会長が競馬に行く前に「キャバクラに行こう」と誘うのだが「もうチンコさおったたねえべからして〜」と逃げまくるので「渡世人がそんな泣きごというちょってどないするとね」と喝を入れてあげるのだが、キャバクラや飲食に使う銭っコがあるなら、全てをおんまさんに投資したいのだそうだ。(つづく)