少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

554 上海綺譚1

早朝・・・といっても朝9時少し前、目覚める。連日、明け方まで会議するも、未だ結論が出ない2月11日金曜日。曜日の感覚はとうにない。
朝の街をリサーチしようと思いつつ、体が起きれず過ごした17日間。
もう9時過ぎだが、思い切って外に出ようと、宿泊先の日本レストラン「G」の寮のシャワーをひねるも水しか出ない。ガスの元線が止められているのだろか、僕はその場所を知らない。
え〜いままよ、と僕はレジ袋に日本から持参したスカルプD(育毛シャンプー)と石鹸にタオル、着替えの下着を入れ寮を出る。レストランの裏出口は「上海理工大学」のキャンパスになっており、僕はその大学の正門から表に出る。すっかり顔馴染みになった守衛のオッサンたちに手を振り、くそ寒い上海の人民街へと歩を進める。上海がこんなに寒いわけだ、日本の大雪も頷ける。
僕は、徒歩4分の場所にある「公衆浴室」という共同銭湯に行く。靴を預けるとロッカーの鍵をくれる。男女に分かれ、入浴する。つまり日本の銭湯だ。違いは朝からやっていることと、風呂の中に三助がいることだ。ここに来たのは上海に来て2度目である。
湯舟にはぷかりぷかりと垢が浮いている。だから入る度胸はない。シャワーでシャンプーだけだ。されど「あの時よりはマシだよな」と未だに忘れられない光景を思い出す。
あれは安城北中学3年の時、修学旅行で東京と日光に行った際に泊まった本郷の旅館でのこと。3年G組の僕らは、順番で相当の後風呂に入らされた。浴槽はなんと、ヘドロの海。最初に見た時、それが何であるかまったくわからなかった。初めて見る光景だったからだ。
それが人間の垢の結集であり、後にいろいろな本を通して知る、刑務所内における囚人の風呂と同じ状態であることを知った。修学旅行での一番の思い出は、もしかしたら、そんな悲しい出来事だったかも知れない。だから、この程度の垢風呂ではビビらない。(つづく)