少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

586  上海綺譚2

僕は三助に背中を流してもらいたくてここへ来た。三助とは、つまり古き良き昭和時代の銭湯に存在した背中流しで、サザエさんの4コマにも登場した。風呂屋の番台と同様に、子どものころに憧れた職業だ。今で言うなら日本のサウナにあるような垢スリだ。
浴槽内にある簡易ベッドの上に全裸で横たわると、大衆の面前でタマキンの裏まで、丁寧に垢スリしてくれる。ちなみに7〜8分の作業で手間賃は10元(約130円)だ。
三助は日本のようにフンドシもせず、フリチン。だから、時々、三助のポコチンが自分の身体に当たったりする。つまり男と男のぶつかり合いだ。三助は僕と同年代か少し上、無言で黙々と作業を続ける。
最初は仰向けで、まずは顔面をこすってくれる。そして胸からヘソのラインへ。次に足をカエルのようにガニ股にされ、両太ももの内側をこすり上げ、水戸黄門様から裏筋の一本ラインへと、淀みなくこすりを続ける。やがて亀の頭などをおもむろにつかむとタマキンの裏、竿の裏まで丁寧にこすり上げ、これで表サイドは一丁上がり。
尻などを軽くポンとたたかれるや、今度は横向きでわき腹攻撃。その際オッサン三助は、むんずと当方の腕を取り、片足をベッドの足に掛けた体制で当方の腕をオッサンの太ももの上に乗せた状態で腕の垢をする。すると、時折、当方の小指の先端が、何やら棒状の肉片らしきものに、当たったりする。これがテレビでよく見かけるマッサージ師の「たのしんご」ならいざ知らず、当方にはちと辛い感触ではある。で、これが左右で繰り返される。されどオッサン三助はピクリとも表情を変えることなく垢スリを続ける。これがプロのプライドというものなのだろうか。
ふたたび、ポンと尻を叩かれ、今度はうつ伏せ。待ちに待った、背中流しだ。これは極上に気持ちがいい。オッサン三助はさすがにプロだけあって、手だけではなく腰も使い、身体全体で背中を流す。別に見てるわけでもないが、視界にはオッサン三助のポコチンがやたらリズミカルな振り子時計のように映ってしまう。
そして順番待ちのオッサン連中が腕組みをしながら、その光景を誇らしげに見守っている。僕は自分の身体から出た垢の量を見るのが楽しくてたまらない。まるで新しい自分が生まれたような爽快な気分になる。
「謝謝」僕は礼を述べるも、オッサン三助はまったく無表情で、次のオッサンの身体を流し始める。三助は一日中、風呂の中で生活しているので、とても清潔だ。垢風呂に入らなければ、の話だが・・・。
(つづく)