少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

586  上海綺譚3

僕は受付で料金を払う。100元札を出した。釣りの78元と靴を返してくれた。入浴料12元と三助代10元の合計22元だが、僕の頭の中は釣りが多いように感じられ、返すべきか、とぼけるべきか、靴の紐を結びながら考える。こんな小学1年生レベルの引き算さえできないくらい脳足りんになっているのだろうか?
濡れた髪のままで公衆浴室を出る。そとは寒い、青空だが氷の世界だ。
僕は歩いた。軍隊の行進を見た。疲れきって路上にへたり込んでいるよれよれの兵士の肩をポンと叩き「頑張れよ」と声を掛けると、痩せこけて日焼けした兵士がぎょろ目で僕を睨みつけた。
僕は軍隊の行進と逆方向へ歩いた。小さなコンクリの階段を上がると公園があった。木のベンチに腰掛けた、学生風の若者が3人で小さなラジコンのヘリコプターを飛ばそうとしているところだった。
面白そうなので、僕も見ようと、彼らの背後に近づくと、暴走したヘリコプターは僕の顔面めがげて飛んできた。僕は咄嗟に避けたが、ヘリコプターの羽根は僕の頬をかすめ、よけた勢いで僕はこけた。運悪く、僕はぬかるみに転び、新品の黒いコートが泥で汚れた。
それを見た3人の学生は笑いをこらえ素知らぬ顔をした。僕はその学生の胸ぐらをつかみ「何やってんだこのやろう」と脅し、もう一人の学生の胸ぐらもつかんでどやした。内心ではちょっとやりすぎかなと、思いつつ、怒鳴った。こういう場合は先に警察を呼んだ方が被害者扱いされる。これは長年の経験からそういうことになっている。
学生どもが、しかめっ面で、ぶんむくれはじめたので、何故かそこにいた東京中日スポーツ時代の後輩のK山に「おい、警察に電話してくれ」と頼んだ。K山は携帯を取り出すも、何故か警察への電話をためらっている様子だ。「おいK山、何やってる、早く電話しろよ」。再三の催促にもかかわらずK山は電話を躊躇している。理由はわかっている。この状況を見れば、完全に被害者と加害者の立場が逆転しているからだ。
「だったらもうええわ、俺がするで」と突然三河弁になった僕が、学生の胸ぐらから手を放し、携帯を取りだしたところで目が覚めた。
どうして、今朝は、あんな変な夢を見たのだろう・・・。寒空で洗い髪が芯まで冷えた。かぐや姫の「神田川」を唄いたくなった。(つづく)