少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

562 落とし穴3

この日、こうした状態はA銀行だけでなくB銀行やC銀行でも同様の事態を招いていました。それはよくよく考えてみれば当然のことでした。
何故ならば、どの銀行も大量の国債保有しているのですから、日本国債暴落のその日、A銀行で起きた状況はすべからくどこの銀行でも同じように起こることは当然の成り行きでした。
その時、株価のモニターを見つめていた、A銀行の行員が悲鳴にに似た叫び声をあげました。「当行の株価が下がり続けています !」
国債が暴落して金利が暴騰すれば、それを大量に保有する銀行のバランスシートは傷つき、その当然の帰結として株が売られることは誰の目にも明らかでした。そうした事態では銀行は何とか損失を埋めるべく、利益の出ている保有株を売り「益出し」をします。
市場ではこの益出しの売りが売りを呼び、日経平均株価は暴落。さらに銀行は自己資金を守るために、中小企業への貸し付けをあからさまにしなくなり、経済の血液であるお金が世に回らなくなります。
長期金利の暴騰は住宅ローン金利を有り得ない利率まで押し上げ、毎月の住宅ローンの返済額はいきなりX万円も上がって家計は一気に火の車となり、企業が借りている資金の金利もはね上がって倒産する企業が続出して、世の中はあたかも洪水に飲みこまれるようにして一気に恐慌の様相を呈してきます。(つづく)