少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

608  上海日和2

話を一週間前に戻そう。
NO605、どうなる「G」?10の続きです。3月21日月曜日、僕はこの店の大家と最後の交渉に挑むために、中国人マネジャーに大家とアポを取るように数日前から依頼していた。しかし、中国人マネジャーは大家に電話を入れただけで「安藤サン、大家サンは安藤サンに会いたくない。大家サン忙しいです。大家サン家賃の話、したくない言っています」と僕に告げた。
こんなマネジャーだから、店が傾く。「大家とアポを取るのが、あなたの仕事です。電話でダメなら、今から大家の事務所に行って直に頼んでください。どんなに忙しくても10分や20分は時間取れるはずです。会って話をしなければ、お店は潰れ、あなたも仕事が無くなるんですよ」
中国人マネジャーはしぶしぶと、店のすぐ裏手にある大家の事務所へ歩いた。
結局、大家は時間を割いてくれた。というか、普通は当たり前の話だ。風呂なしアパートの家賃とはわけが違う、月額260万円の家主と店子の交渉だ。しかし、僕が、この家主と直接交渉するのは今回がたったの2度目である。家主が僕との直接交渉を明らかに避け、のらりくらりとかわしてきたのだ。これが中国人のよく使う手で、少しでも長い期間、家賃を引っ張ろうという作戦だと気がつくのに、少し時間がかかり過ぎてしまった。日本とはわけが違う。敏腕マネジャーがいたら・・・と嘆いてもはじまらない。ここのマネジャーときたら通訳すらまともに出来ない。それも中国語が出来ない自分のせいだと諌めるしかない。
僕とS店長は家主と約30分に渡り交渉した。ほぼ一方的に僕が懇願し、マネジャーがそれを通訳して家主に伝えるのだが、マネジャーの語学力に信用はまったくない。僕もS店長も、マネジャーが訳す日本語の半分程度も理解できなかった。
家主は「家賃の値下げは3ヶ月間は認めるが、それ以降は3ヶ月後の様子を見てからだ」と僕らの要求を突っぱねた。
「この店を再建するには少なくとも半年はかかる。半年で赤字を無くすことはできるが、それでは利益が出ない。なんとか一年は10万元でお願いしたい。3年間ですでに2億近い金を投資している。なんとか、それを理解していただきたい。黒字に転換して、そちらにも利益を還元したいと思っている」
僕とS店長の力説は、最終的には無駄に終わった。これが徒労であったかどうか、それは、こうなるシナリオがはじめから仕組まれていたとしたら、つまりはそういうことだろう。決して複雑な「罠」ではない。しごく単純な「落とし穴」だ。バカと子どもなら普通にひっかかる。
中国にはそんな落とし穴が街のいたるところに掘られている。
(つづく)