少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

612  上海日和6

ひとりだけ、道の反対側にいる僕に気付いてくれた女性がいた。
S店長のファンで、S店長目当てに時々だが「G」にランチに来てくれる中国人女性のOさんだ。彼女は日系企業に勤めるエリートOLで、流長な日本語を話す。S店長のことが大好きなので、よく弁当も買ってくれた。
そんな彼女が道路越しの僕の視線に気づいてくれた。僕は手を振り、道路を渡り、彼女に会いに行った。
「どうして〜???」という彼女の投げかけに僕は「家賃」とひとことだけ答えた。
それから10分ほど立ち話をした。
「僕は広州に行く」と告げた。彼女は「あなたの本当の名前を教えて」と言った。
そういえば、僕は彼女に「実はメキシコ出身のプロレスラーで、リングネームはテリヤキ・ドラゴン。本名はドラゴン・リー・アントンで、皿洗い世界選手権の元世界チャンピオンで、この店に皿洗いで雇われた。35元の弁当を1個売る度に1元のコミッションが僕に転がりこむ」という嘘をついたことがある。そんな話をした時、彼女が「じゃあ、買ってあげるわ。友達にも伝えてあげる」と言って、本当に買ってくれた。
そんな話もすっかり忘れかけていた僕だが、彼女に電話番号と本名を伝えた。
「こういうことも、中国ではよくあるけど、なんか他に方法があるかもしれないわ。私も考えるから、もう一度、何か方法はないか、考えてみたらいいんじゃない?」彼女は優しくそう言ってくれた。
そんな光景を道の向こうから見ていたS店長が僕の携帯を鳴らし、電話で彼女にお礼を言った。
Oさんが気がついてくれただけで、なんだか救われた気分になった。