少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

605 上海再来1

昨、4月11日。あの東北関東大災害から1か月、僕は中国南方航空、広州白雲空港13:00発、上海虹橋空港15:40分着便で、再び上海に戻った。上空から見た上海市郊外の戸建て高級住宅群は、なんとも整然とならべられたレゴのお城みたいだった。ただ、上空からではどんな人が住んでいるのか、あるいは住人そのものがいるのか、まったくわからない。上海の人口はおよそ2220万人。東京のざっと2倍だが、僕のイメージでは、東京のラッシュアワーの通勤電車、新宿や渋谷の雑踏、雑居ビル、大渋滞、狭いアパート・・・と東京の方が人口密集度がはるかに高い気がしてならない。この街、この国で、やはり一番強く感じるのは経済格差だ。ポルシェとゴミを引くリヤカーが混在し、高級中華料理店の前の路上で不法屋台のおばさんがひとつ5元(65円)の炒飯や焼きそばを売る。そしてその双方が成り立つ世界。一握りの富豪と絶対的多数の貧乏人が、ひとつの空気の中で生活し、傍から見る限り、そこに大きな違和感がない。それが、どうしてだかは謎である。
ところで、僕は今、上海「G」でこいつを書いている。良く晴れた火曜日のランチタイム、ほんの少し前まで、ここで「いらしゃいませ」をやっていた。
S店長から「安藤さんがお戻りになるころには、店は完全に大家に返して、もう中には入れない」と言われたので、僕の荷物はN料理長のアパートに移しておいてもらった。ところが、店はまだあり、中に入ることもできた。しかし、これは決して朗報ではない。
昨日、上海に到着してから、店内の事務所でS店長、N料理長、王マネジャーから報告を受けて仰天した。どうやら、大家が「G」の乗っ取りを画策し、店の撤去の引き延ばし工作をしているようなのだ。この店の家賃は日割で計算すると日本円で、1日約8万円。つまり1日いるだけで、何もしなくても自動的に8万円を大家に払わなければならない。
さらに、この店の機材等の売買も大家とかわしているが、すべて口約束だけで、契約書のサインに応じてくれないという。きな臭い。
さらに、居留守、書類捺印などの拒否、説明を求めるとタライ回し、契約上の約束の反故など、実に解り易い騙しのテクを駆使しているのが、見え隠れしている。(つづく)