謎の53万円を手に入れた僕は、教会に戻り、霊波之光の御守護神様にお礼を言いに行った。本当に助かった。
僕は横浜市営地下鉄に乗り、新多摩川線のあざみ野駅へ向かった。ちなみに、横浜市営地下鉄は日本で初の全席シルバーシートなので、若者は決して座ってはいけない。僕はいい試みだと常々思う。
今日は気分がいいので、あざみ野から東急大井町線に初乗車してみる。つまりぶらり途中下車の旅だ。
途中、自由が丘など洒落た駅を通る。昔、下北沢の僕の骨董店でバイトをしていた梅沢君の自宅豪邸がある場所だ。イルカに乗った少年・城みちる似のオカマ君だったが元気にしているだろうか？子供のように初めて乗る大井町線の車窓に顔をつけ、景色に見入る。
午後５時。品川駅で神戸から来るセニョールY氏と待ち合わせ。僕のマスコミ時代、他社だが僕の弟分。今は中畑清さんを会長にするプロ野球28年会の事務局長をはじめ、多くのボランティア団体の関連理事などを務めている。
今回も震災のボランティア活動の打ち合わせだけのために自費で移動。
彼をK会長に紹介するために品川から汽車を乗り継いで下高井戸に移動。かなり久しぶりに会い「安藤さんの今の仕事は？」と聞かれ「無職」と答える。「じゃあ、どうやって食ってるんですか」と聞かれ「何者かによって生かされている」と答えるも「信じられねえ」と言われる。
彼はマスコミ時代、阪神淡路大震災に遭遇。週刊誌の一記者でありながら、たった一人でプロ野球界、Jリーグ、電通、大手菓子メーカーに掛け合い、5000人もの震災被害児童を集め、神戸で夢のイベントを開催した男。当時、ゴジラ松井、清原・桑田、中畑清、カズ、ラモス、ゴン中山、プロゴルファーなど、名だたるプロ選手100人以上が、交通費を含め、すべて手弁当で、このプロジェクトに参加した。もちろん僕も企画の段階から参加したが、正直、実現できるとは思っていなかった。しかし、彼は達成した。
今回も28年会の事業として被災地の野球少年たちに、道具を送っている。現在はユニフォーム集めに奔走している。イカス男だ。
久々の再開を祝し、下高井戸のK会長の店「なんでや」でささやかにホッピーで乾杯。
