少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

703 消えゆくアナログの悲哀

アナログ放送最終日の7月24日午後1時ぴったり、我が家にJCOMの工事のお兄さんが来てくれた。配線はいくつ入れても無料だというので5つの部屋に配置してもらった。これで25年3月まで、アナログ対応3台を含む4台のテレビが見れる。デジタル放送にならなければ使えるのが当たり前で、政府の勝手な都合で変更され、本来ならクレームだが、何だか得した気分になった。
きのう8/5、プリンターのインクを買うために新宿のヨドバシカメラに行った。電話で予約しておいたが、OA器具売り場の4つのレジは長蛇の列ができていた。相変わらずパソコン売り場は凄い人だ。僕もipadをいじってみた。「少数派日記」を検索したら本当に出てきたので驚いた。こんなぺらぺらの中にどうやって入っているのだろう。テレビがどうして映るのだろう。鉄の塊がどうして空を飛んだり、海に浮いたりするのだろう。わけのわからんことは、その辺で止めにしといてもらえませんか?
今年4月、中国から帰国した時、空き地だった新宿西口にでっかいビルが建っていた。あれから何カ月?僕は目を疑った。わずか4カ月で9階建てのビル。聞けば鉄筋とパネルを組み合わせただけのプレハブみたいな建築工法で、基礎さえ完成すれば、時間はかからないのだと。で、そこは老舗ヨドバシを脅かす、ヤマダ電機の新宿本店。家電芸人のおかげかとうか、PC、OAをはじめとする量販店がめちゃくちゃ元気だ。たまたまだがツケメン芸人の狩野英孝さんが路上で番組のロケをしていたが、みんな横目で素通りしていた。
さて、そんなデジタル世代に完全移行したきょうこの頃だが、きょうからアナログ甲子園大会が始まる。こいつはいいぞ。
相変わらずだが、高木アフォ文部科学大臣とか、なんとか審判部長やらが、この炎天下で延々と内容のない訓示を述べた。いつの時代もKYオヤジは健在だ。聞いててバカじゃないか、という自己満足スピーチだが、このアナログがいい。ここで選手やプラガールの何人かがバタバタと倒れれば演出抜群だが、みんなよう踏ん張った。しっかし、デジタル高校生には、このアナログ開会式はきついと見えて、どいつもこいつも一時(いっとき)たりとてじっとしてしていれない様子。これが帝国陸軍軍人なら全員その場で切腹ものだろう。
アルプススタンドもいい。マスコミ関係者なら甲子園取材は誰しも新人時代の登竜門。日に4試合のアルプス取材はキツかよ〜。思い出すのは農業新聞のおっさんが生まれて初めて野球の取材に来た。記者席でたまたま僕の隣だった。農業高校の記事を書かなければいけない、ということだったが「あの〜すんませんけど、エンドランっちゃどーいう意味だっちゃね〜」とか「タッチアップてなんちゃ〜」「スクイズってイカのことかね?」と有り得ない質問の連続。本来なら「おととい来やがれ」と記者席から蹴飛ばしてやるところだが、実は素朴でとても人のいいおっさんだったので、僕はあのクソ暑い中、丁寧に教えてあげた。それにしても麦わら帽子に丸首シャツに首手ぬぐい。田んぼからそのまま来たような、寅さんみたいなイデタチは記者席で話題を独占した。黒いバッグを誰かに奪われまいとタスキ掛けにしたズーズー弁。「オラ、ションベンさ行ってくるだっちゃね〜、あんた代わりに試合さ見ててけろ〜」と僕に言う。見てるだけで緊張感をほぐしてくれる名も忘れた大陸系のおっさん。まだ生きているだろうか。そんなアナログが好きだ。
甲子園の土のグランドと炎天下の高校野球は現代に残された数少ないアナログ世界。恒久に残したいと思うのは少数派だけではなかろう。