少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

804 浅田匡子さん1

フュギュアスケートの浅田真央さんの母・匡子さんがお亡くなりになった。9日午前=享年48歳=肝硬変。遠征先のカナダから駆けつけた真央さんはご臨終に間に合わなかった。
私ごとで恐縮だが、私は26歳で父を亡くした。社会人一年目の東京中日スポーツ記者時代の7月。まだ一面原稿を書かせてもらえない初心者マークの駆け出しだ。前夜、危篤の電話を受けた。神宮での巨人戦は雨で中止となり、上司に事情を話し、そのまま東京駅から最終の新幹線に飛び乗れば間にあったかもしれなかった。現場の先輩記者には相談したが「入社一年目だからそういうこと(帰省)は上司への印象が悪くなるよ」と暗に帰省を否定された。父の死後、先輩から「まさか、そんなに悪いとは思わなかった。俺が余計なこと言わなければ良かったな。本当にすまん、勘弁してくれ」と丁寧に謝られたが、もちろんこちらは恨んでもいなければ、かえって恐縮した。
まだ、携帯などない時代。朝いちばんの新幹線で名古屋に向かい、父の入院先の病院に到着したが、もうベッドに父の姿はなく「ご自宅にお戻りになられました」と看護婦さんに告げられたとき、なんとなく父の死を実感した。
さて、真央さんに戻ります。
僕はフュギュアフリークではないので演技のことはわかりません。ただニュースで何度も映し出された匡子さんの土色の顔を見るにつけ、ここに書こうと思いました。匡子さんが肝硬変と知らなければ、ファンデーションで、わざと、ああいう化粧をしているのかな・・・くらいにしか思いませんでしたが、おそらく、ファンデーションで目いっぱい白くして、あの顔色ですから、本当はもっと血の気のない顔色だったと推測します。
映像は元気な姿しか映っていませんが、あの顔色から想像するにつけ、立っているのが精いっぱいな状況かと思います。
医学はもの凄い勢いで進歩しています。同じ病気、同じ症状でも昨日より今日の方が、はるかに生存率が高いのです。しかし、患者がその情報を持たなければ無意味です。
「肝臓移植」。匡子さんにはそういう選択肢はなかったのでしょうか?
難しい手術です。しかし、死の淵から生還している人もたくさん居ます。ご本人、ご家族の意思はわかりませんが「浅田真央」の知名度を活用すれば、かなりの情報収集はできたはずです。まあ、僕らの知らないところで、そういう活動をした結果がそうであるならば、それは仕方のなかったことですが・・・。
医療、宗教、民間療法・・・。何を選択するかは、ご本人、ご家族の意思ですが、そこまでされたかのかどうかが気がかりです。
僕の場合、資格こそありませんが、報道機関と医療機関に従事した経験があり、最低限の基礎知識を持ち合わせています。そういう人間をフル活用すべきだと思います。
しかし、日本では厚労省と医師会の規制が厳しくて、そういう活動はオープンにできません。
「臓器移植」=「臓器売買」という図式を意図的に作り上げている人々がいるからです。前出の2つの組織と便乗したマスコミがその根源ですが、救えるはず、救えたはずの命は、数えきれないほどあるのです。
故・浅田匡子さんにご冥福を捧げます。
真央さん、舞さんのご姉妹も、この悲しみを乗り越える日が訪れるようお祈りいたします。