それを見たとき、最初は暗号か何かかと思った。四つ折りにされたノートの切れ端。いや、厚さから推測すればレポート用紙の切れ端なのか。
名刺の二倍くらいの大きさだ。比較的読みやすい文字が、シャーペンで綴られ、項目ごとに四角く囲んである。本のタイトルだが、買いに来たのか売りに来たのか・・・？とりあえずすべて羅列してみよう。この本から見えてくるガスト290円ポークカレー求人誌キャリーバック野郎の正体をプロファイリングせよ。
「宝島 誰も書けなかった日本のタブー」「ゴーせん」「別冊宝島 作られた韓流ブーム」「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか？」「山田詠美 ジェントルマン」「Ｈｎｊｍ まり子」「マニアックス ＳＭ」「ＡＣＥ ＯＦ ＢＡＳＥ」「Ｈｎｊｍ ありさ秘書グラマラス」「さやか 恥ずかしいカラダ 愛人玩具」
（別項で）イヤホン×２ジャケット トト タオル Ｔ−シャツ 半ズボン
（以上）
アケチくんならどう読む？
安藤捜査官によるプロファイリング
本は購入リスト。右翼思想のインテリ階級。大卒と見た。しかも性欲旺盛。ボディコン系趣味。ロリコンでも婆専でもない。「力道山」を読むことから年齢は50〜60代。もちろん男性。トトの購入はもちろん６億円狙いだが、甘くはないぞ。しかし買えばチャンスはある。選択肢としては間違っていない。しかしタオルはどうか？そんなもん銭湯に行けば忘れ物がいっぱいあるし、風の強い日にマンションの下で佇んでいれば、必ず一枚や二枚は風で飛んでくる。無駄遣いはアカン警察。どうにも解せないのが「イヤホン×２ジャケット」。何気ないホームレスを装った北の工作員の可能性も捨てきれない。この寒さの中「半ズボン」は南国ポルネオ共和国への脱出ルートの示唆なのか？もし本当に北の工作員だとしたら、僕の背中をこするようにして出ていった意味が理解できる。ＧＳＰ機能付の特殊塗料を僕のコートに塗るためだ。北が打ち上げた人工衛星から24時間ピンポイントでこちらの居場所は監視されているぞ。あのホームレスめ、なかなかやりおるわい。さっそく科学警察へコートを提出し調べてもらわねば・・・。
みなさんは、こんな暇人にならないように気をつけましょう。
（おしまい）
