少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

945 セントレア悲哀

2/22、6時ちょうど発のセントレア空港行きの知多バスに余裕で間に合う。海外旅行と思しき何人かを見かけるが名鉄を選ぶ人もいる。名鉄だと乗り換えがあるが、料金も200〜300円ほど安く、しかも早く着く。出発5分前になっても、乗客は僕ひとりで、油断していると、出発5分前にどかどかっと7〜8人の客が乗り込んだ。予定より5分早く家を出た僕に「そんなに早く行ってどうするつもり?」と言った老母の言葉の意味は、もしかして、こういうことなのだろうか。
朝の田舎道は快適。イーグルボウル(ボーリング場)の前の道は通ったことがあるのだが、この道が刈谷市国電刈谷駅)に繋がっているとは知らなかった。成田空港を使う時は新宿から高速リムジンバスを使うのだが、すぐに高速に乗るので途中停車はないが、この知多バスはローカルバスみたいに普通の道端の停留場に停まり、客を乗せて走る。だから乗客の全員がセントレアが目的地というわけではない。途中下車する人もいた。
東浦ICから高速に乗るのだが、そこまでは一般道なので、小旅行気分で、いまだに僕は、バスに乗るときは景色のよく見える最前列に腰かける。
とても眠いのだが、知らぬ街、知らぬ道を寝過ごすのはポリシーに反するため、しっかり目に焼き付ける。人も風景も街も一期一会だ。高速に乗る少し手前で棚田を見た。「こんなところにもあるんだ」と小さな感動。
高速に乗ると前方上空に貨物船のようなものが浮かんでいた。でもまさかねえ、とよく凝らしてみると、やはり海に浮かんだ貨物船。高速上のバスの位置から不思議に映る光景。セントレアが近いと知らせる光景。
バスは予定時間の7時8分より3分早く到着した。
さてと、早々チェックインを済ませ荷物を預けてセントレアをゆっくりと見物しようか・・・。というのも過日のニュースで7年目を迎えたセントレアが年間2億強の赤字に転落しているというからだ。
当時は押し合いへし合いで人気の展望風呂もいまはガラガラ。午前8時のオープンに老夫婦2人が待っていたが、入浴料1000円は、さすがにリピーターはいないだろう。開港以来、すでに50%のテナントが撤退し、新規店舗もそこでの売り上げが目的というより、赤字覚悟の宣伝広告扱いでやっているとも言う。地方人の夢は長く続かない。熱しやすく冷めやすいのだ。
新しいものにはすぐに飛びつくが「一回行ったでまあよし(三河弁=一度は行ったけど、つまらなかったので、もう行く必要はない・・・という意味)だわ」。
まあ、これは地方人に限らず日本人というか人間の特徴で、都市部は一回転するのに、人口が多いから多少は長続きするが、たいしたことなければリピーターもできない。すべての商売はリピートされてナンボですから。
セントレアは初めてではないが、そう思いながら見て回るとなんとも狭い空港。こじんまりしていて使い勝手がよく、僕は好きではあるが、飛行機に乗る、あるいは送迎以外の目的で人が来る場所ではないだろう。
基本、飛行機に乗降する人口が減れば集客も減る。さらにゼネコン天下り天国さんたちが、地方で私利私欲空港を増設に増設を重ねた結果が限られたパイの奪い合いになったとも言える。
2億円強の赤字を365日で割ると一日約60万円になるが、国際空港でその程度の赤字が解消されないとなると、事態は深刻なのか、運営方法に問題があるのか、判断するにはデータが乏しい。
いずれにせよ円高による海外旅行ブームだと煽るテレビ画面の華やかさはとは、無縁のセントレアに映った。
1000カウントダウン「14」
広州にて