少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

972 光頭老さんと中国1

二月のとある日、新安城レトロカフェ「ビリケン」の前で、変なおっさん(ビリケン)が変なオッサン(失礼=光頭老さん)にコーヒー無料券付きのチラシを配った。そして、来店してくださった。一枚のチラシと一杯のサービスコーヒーから不思議なご縁が始まり、今や、ビリケンカフェの常連になってくださった。
「少数派日記」にも、よくコメントをくださる。
当ブログ「1010 上海骨董散歩1」では「お〜懐かしの、そして思い出したくもない、あの汚れた街並み」「筋金入りの、チュー国嫌い」「企業人としてよりも、私の性格、趣向に合わないのが(嫌いな)理由」という旨のコメントをいただき、興味深い内容なので本編で取り上げさせていただきたい、と返信いたしました。
いただきましたhttpにアクセスいたしましたが、肝心の部分は文字化けして読めませんでした。まあ、そのようなところが「チュー国嫌い」と申されるのかと推測いたしますが、それに関しましてはまったくの同感です。
さて、では先攻ということで、まず私の持論を先に述べます。光頭老さんにはできましたら、コメント欄にて後攻でアンサーいただければ、嬉しいです。彼に許可はとっていませんが、勝手に決めさせていただきました。
光頭老さんの簡単なプロフィルは駐在員として海外勤務30年。5年ほど前に帰国して在安城5年。主にブラジルと香港(中国)に滞在。貴氏のブログ「還暦・古稀のホームページ」に詳しく掲載されています。
さて、持論ですが、私もはじめて中国を訪れて以来、足掛け20年になります。当時、北京が私の中国、最初の地でしたが、ほとんどいい思い出しか残っておりません。まだ、レストランでも中国人価格と外国人価格(中国人の二倍〜十倍)の二重料金が合法だった時代です。もちろん私は中国人価格。親友の中国人医師、Dr・JSと一緒だったからです。飲食から宿泊まですべて彼の現地の友人知人の接待。移動はすべて公用車で一方通行を逆行しても対向車が、隅に寄せるという待遇でしたから、悪い思い出になるはずがありませんね。何をするにつけ、第一印象というものはとても重要で、私の場合、最高の幸先を切ったと言えるでしょう。
しかし、ビジネス絡みで何回か足を運ぶたびに、数々の困難や障害にぶち当たりました。彼ら(中国人)の口癖。「大丈夫大丈夫」「出来ます出来ます」「簡単です簡単です」「問題ありません問題ありません」。その通りになったためしはまずありません。
日本人の感覚として「出来ないものは出来ないとはっきり言って欲しい。出来なければ次の手段を考えるから・・・」となるのですが、彼らは必ずこう言います。「その必要はありません。私にお任せください。必ずできますから」と。
光頭老さんなら頷いていただけることでしょう。
そうなんです、彼らは決して「出来ない」とは言いません。なぜなら面子(メンツ)が命よりも大切だからなのです。「出来ない」と言った瞬間、彼のメンツは丸潰れとなるのです。そして大見栄を切りますが、結局は出来ない。すると富士山ほどの「言い訳」をかかえて「出来なかった熱弁」を振るうのです。
当時、僕はいつも憤慨してDr・JSに苦言ばかり言いました。
「どうして彼らは言うことと、やることがこんなにも違うのか!」と。
JSは静かに僕を諭しました。「安藤、これで君も、どうしてこの国で『矛盾』という言葉が生まれたのかわかっただろう。矛盾だらけの国、それが中国なんだよ・・・」。う〜ん、なるほどなあ。この言葉を聞いて以来、僕の憤慨はかなり収まりました。
そしてもうひとつJSの言葉。「この国はまだまだ発展途上の国。自分のことだけで精いっぱいで、他人のことまで気が回らないほどまだ貧しいんだよ。日本の30〜40年前だと思えばいいんだよ」と。この言葉も眼から鱗。そういえば子供のころの名古屋の名鉄電車は降りる人より乗る人が先で、我先にと老いも若きも男も女も座席取りにダッシュしていた。東京五輪の時だって、外国人観光客目当てに羽田に白タクが横行して「カミカゼタクシー」という造語まで生まれたくらい。中国の空港でタムロする(今はほとんど見かけないが)不良白タク運転手のことを悪くは言えない。
尖閣諸島問題、南京問題、戦後補償問題、ODA、在中国日本企業に対する不当なスト及び、反利益行為、中国政府による日本の土地買収(これに関しては売る側の日本政府にも問題がある)、海域問題、その他挙げればキリがない。それでも、中国擁護に回れば非国民のそしりは免れまい。
しかし、実際問題として、日本は中国の、中国は日本の互いの支援がなければ日々の生活そのものが成り立たない現実がある。日本を蒙古襲来以前の鎌倉時代に戻せるならともかく、今を生きるには自他共栄の光を探すしかない。
中国を「好き」か「嫌い」かと問われれば迷ってしまう。光頭老さんのように白黒つけられない自分がいて、僕のポリシーに反するのだが、正直な気持ちだ。「煮え湯」も飲まされたが「美酒」も振る舞われた。腰抜け外交をバカにできない人間のひとりかも知れない。現在の僕は49対51で、1%だが、「好き」が上回っているので中国にいる。それは政府共産党の方針とか反日教育とかの政治ではなく、極めて個人レベルで親日の中国人仲間が、僕の周りにいてくれるからにほかなりません。さらにレトロ好きの僕ですから、古き良き時代に、触れることができるからです。