少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

993 さくらとトヨジ

さくらの季節に間に合った帰国。一年のうちで最高に好きな季節。
いつの日かきっと、あの娘にも、この美しい国を見せてあげたい。
昨夜、中部国際空港から移動中のバスからトヨジにメールした。「花見に連れてってくれ」と。「今、(夫婦)喧嘩中だで、明日電話する」と返信。仲間うちではかなり仲のいい夫婦だが、珍しい。
4/8、快晴の日曜日、絶好の花見日和。ああさくらたちを見に行きてえ。
午前中は荷ほどき。質素な昼食を食べ、トヨジから連絡が無かったら、ひとりで、岡崎公園の桜でも見に行こうかしらん・・・と目論む。と、思った瞬間、トヨジから電話。「オウ、今から迎えに行くぞ」とトヨジ。奥さんと仲直りしたらしい。めでたしめでたし。
で、豊田の古い寺の桜を見る。美しい。本当に美しい。
寺ですれ違った、名も知らぬおばあさんが、「ことしも、綺麗な花を見せていただきましてのお、ありがとさんね」と言って僕に手を合わせた。「ああ、ほんとに良かったですね・・・」と咄嗟に僕は答えた。
振り返り、トヨジに「知り合いのばあさんか?」と尋ねると、「知らん」という。「まあ、来年は見れるかどうかわからんで、嬉しかったじゃねえか・・・」とトヨジが解説したので「ああ、そういうことか」と思い、ばあさんの背中に向かって「来年もきっと見れますから」と念を送った。
その後、今度はトヨジの小学校のほとりにある小さな公園へ。トヨジが子供のころ、明治用水の源流のダムがここにあり、よく釣りをして遊んだという。僕らはその下流で亀を釣って遊んでいた。
僕は安城の北端でトヨジは豊田の南端。隣接してはいるが、その間には、延々と続く田畑があり、歩いては行けない。しかし、同じ用水の上と下で遊んでいたとは面白い。高校が同じで無ければ、一生、口をきくことも無かっただろう。高校時代、お互いの家を行き来したのは決まって深夜だったので、明るい風景はなんだか別世界のようだ。
その後、念願のキングパン工場でキングパンを買う。これはマジ嬉しかった。僕は本当にキングパンが一番うまいと思う。このパンを毎日食える人間は幸せ者だ。今、キングパンは学校給食のみで市販されていない。トヨジのかあちゃんは勤続50年になる。いや、もっとかな。
トヨジが「知立までコロッケを買いに行く」というので「おお、ええね」と言う。奥さんの好物のコロッケを買って、仲直りのダメ押しか・・・と僕は推測したが、面倒くさいので聞かなかった。
流れで市役所Tの家に行く。「車がないで、釣に行っとるかも知れん」とはトヨジの推測。Tも同級生でトヨジの釣仲間。電話を入れると案の定、大阪まで釣に出かけ、帰りの車中とのこと。ご苦労なこった。
「そういえばこの辺にUがおったな・・・」とトヨジ。Uも同級生。
「いつかこの辺で車から降ろしたことがあるぞ」というトヨジと、年賀状にあったUのアパートの名前の僕の記憶で、少し、探してみる。
見つからなかったら、コロッケを買って帰るのみ。最後の角を曲がって、見つからなければ帰るか・・・と言ったら、見つかった。
つづく。