少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

1107 覚有情1

覚有情(かくうじょう)・・・
背中に彫り物(入れ墨)を入れるとしたら、この言葉だろう・・・。
人生のバイブル「柔侠伝」(バロン吉元著)シリーズに登場する柳勘太郎が中国の義和団の拳法家、泰山老師によって背中に彫られた言葉、覚有情・・・。
泰山老師曰く「この刺青は伊達男の体裁でもなければ、英雄豪傑気風を誇示するためのものでもない。ましてや威勢のよい勇や威嚇の意味を持つものでもない。覚有情・・・。すなわち菩薩の境涯に己をいたらしめるべく鍛練することに、その意味はあるのだ。よいか勘太郎、この刺青はおまえの心に彫ったのだ。この刺青に誓って己の魔と闘い、世の悪童悪趣輪廻から有情を救済せよ。わかったか、勘太郎!」
勘太郎「ボクちゃん、わかんないも〜ん」
泰山老師「ニャハッ」
泰山老師曰く「まあいい、いずれわかるときがくる。わしはお前のおふくろさんに頼まれて、お前に今日まで教養を説いてきたが、しかしそのわしとて一介の義和団くずれの拳法者にすぎん。仏法の極理をきわめて解脱したわけじゃない。だが勘太郎、わしが教えたことは少なからず日本で芽をふくだろう。行け!日本へ・・・。祖国へ帰れ勘太郎。おまえの使命は日本にある・・・」
(アクションコミック 昭和柔侠伝 第1集より)
このとき、柳勘太郎14歳。
帰国後、勘太郎は父・勘九郎の親友で早稲田大学教授の矢崎正介の住み込み書生となり、やがて講道館で段位を取得。そして一念寺の住職に「仏縁」を感じとられ、仏門に入る。やがて少年飛行兵として陸軍少年飛行兵学校に入隊する。
しかし、配属された部隊が「893部隊」。人呼んで「ヤクザ」部隊。落ちこぼれと問題児のガラクタ部隊だった。されど、部隊長の白鳥陸軍大尉がかっこいい。
白鳥隊長は第一次上海事変の折、中島製ニューポール・ドラージュ29に搭乗し、一度として機を傷つけられたことのない空の超エリート。
その白鳥隊長が行水する勘太郎の背中を見て言う。
白鳥隊長「覚有情・・・。六道の凡夫の中において自身を軽んじ他人を重んじ、
悪を以(もっ)て己に向け、善を以て他に与えんと念(おも)う者有り。風邪をひくなよ勘太郎
勘太郎「・・・」
白鳥隊長「ハアックショ〜ン!」
勘太郎「隊長どの」
白鳥隊長「勘太郎、もう寝よ。これを抱いてはよ寝よ。おまえにやる。摩利支天(武士の守護神)の鉄扇じゃ・・・。お守りとしてだいて寝よ。朝は早い」
勘太郎「???」
(デラックス版 柔任伝 第5集より)
あれは早稲田の教育学部を受験しに行った時のこと。本来、理工学部の校舎に行くところ、間違えて文学部の校舎に行ってしまった。
学ランで行ったので目立ったのだろう、早稲田大学精神高揚会の富所さんに入部を勧誘された。「ところで、君、受験会場わかる?」と聞かれ「はい、ここです」と受験票を見せたところ「あれ、君、ここじゃないよ。理工学部の校舎だよ」と気づいてくれた富所さんが、エッチラホッチラと僕を自転車の荷台に乗せ、上り坂を漕ぎながら理工学部へ送ってくれました。
そんな初対面の僕に、彼がくれた本が「柔侠伝」でした。
「人生すべからく豪放磊落に生きよ・・・」という言葉とともに・・・。
(つづく)
堅い話のあとにはやらかい唄をどうぞ・・・。
麗美ちゃんで「OCEAN LAST FREGRANCE」(永遠の潮香)
NO1146「波止場にて〜OCEAN」のANSWER SONGです。