少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

1226 デビュー戦結果5

丁さんがこんなことを言っていた。
「プロゴルファーのテクニックって、実はみんなほぼ同じレベル。問題は精神力の違い。これが強いか弱いかで勝敗が決まるんです」
なるほど、なんとなくわかる。
では、闘う以前に自滅してしまった兄山社長の精神構造はどうなっているのだろうか?安藤解説員が分析してみた。
ひとつには素人相手に無様なプレーは出来ないというプレッシャーは当然あっただろう。加えて中国との国際親善マッチという重責も職業がら彼を苦しめた。「軽い気持ちで行け」という僕の適切なアドバイスも深読みされたかも知れない。ポイントはセブンイレブンの親子丼だ。僕がローソンで買ったむすびとサンドを見て、彼は一瞬勝ったと勝利を確信したのだろう。その気の緩みが、結果として自身の肛門をも緩めてしまったのだ。
「勝負は下駄を履くまでわからない」とは将棋用語だが、野村監督が著書で何度も指揮官のわずかな油断が無意味な敗北を招く、と言っているではないか。「勝った」と思った瞬間が崩壊への始まりだと。ゴルフは自身が監督でありコーチでありプレーヤーでありギャラリーであることを忘れてはならない。しかし、そんな基本中の基本をゴルフのプロである兄山が忘れてしまうほど、緊張するスポーツでもある。これは思っていたよりも楽しいかも知れない。
去る8/16にギャラリーとして訪れた埼玉県の名門・狭山CCでは、クラブハウスに入場する際にドレスコートがあり、ブレザーに革靴着用、クラブハウス内は携帯電話及び大声での会話および屁の禁止、など型苦しいスペースでやや緊張したが、石岡GCはパブリックとのことで、クサくない屁は許されている。
受付でクラブハウスの鍵を渡されたが、その番号を見て、実はひるんだ。
「164」番。これはもしかして、「笑っていいとも」金曜日に登場するダイゴなるサイキッカーによる暗示なのだろうか?いずれにせよ、この「164」という数字がプレー中、常に脳裏に浮かんでいたことは紛れもない事実で、問題は、誰がこのロッカー番号を僕に与えたのか?ということ。
事前にこのコースでプレーすることを知っていたのは、僕ら4人とゴルフ場の人だけ。またリピーターはK山兄弟のみ。ゴルフ場の支配人を通じてロッカーキーの番号をリクエストすることも可能と言えば可能だが、素人相手にそこまでするだろうか?いや、むしろ素人相手だからこそ、そこまでする必要がある。「出てきそうな杭は早めに打て」という格言もある。K山兄弟のゴルフプロの本能が無意識のうちにそうさせたとしたら、あなどれない。恐るべし、K山兄弟。今一度、気を引き締めねば。
クラブハウスの164番ロッカー前に座り、DR・Mの指示通り、入念にテーピングを巻く。兄山からはデビュー戦の記念にアディダスのゴルフシューズを進呈された。28センチ。テーピングでやや大きくなった足にすいつく。
「履き心地はいかがですか?」と雲子を垂れ、すっきりした表情の兄山が気を遣ってくれる。「完璧だぜ」と謙信から塩を送られた信玄の気分になる。
こちらもお返しに「糞は止まったか?」と気を遣う。「はい、なんとか」と血の気を取り戻した兄山を見て「しからば、手加減は無用だな」と言う。兄「無論」と応える。「よし、これで悔いなく闘える」と我れ思う。
(つづく)