少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

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journalist(ジャーナリスト)・・・かっこいい響き・・・ではある。
シリアで取材中のジャーナリスト山本美香さんが銃弾に倒れた。お気の毒ではあるが、活動はご本人の堅い意志と覚悟の上の自己責任。誰も責めることは出来ないし、ご本人もそれを望んではいないと思うが、志し半ばという点では大いに無念であろう。
これまで、何人かの日本人ジャーナリストが戦場取材の最中に銃弾に倒れ命を落としてきた。一時的にニュースにはなるが、多くの人の心には、その名前すら刻まれていない。冷たい書き方だが、それが事実で、今回の山本さんも、いずれそうなる日が来るだろう。
きょう現在、日本が、中国、韓国と臨戦状態にあることすら、わからずに高校野球の結果に一喜一憂しているめでたい国民に対して、彼女の死はいかに「もったいない」ことだったか。いくら彼女が最前線の情報を送信したとて、この国の人々には理解不能の映像。日本も近い将来、そうなるのだよ・・・という警告にはならないからだ。
今朝のモーニングバードでは軍事ジャーナリストの田岡俊次氏と、元外務省国際情報局長の孫崎亨氏が、中国との戦争勃発の可能性を示唆していたが、これは「へ〜」とかのレベルではなく、本当に緊迫化している。
話は「ジャーナリスト」に戻る。
広辞苑によれば、新聞や雑誌の記者、編集者とあるが、同じモーニングバードで玉川そもそも総研の玉川徹記者が、実に勇気のある素晴らしい発言をした。
山本美香さんこそ正真正銘、本物のジャーナリストです。僕なんかジャーナリストじゃありません。だって僕なんかテレビ朝日の社員ですから」
流石は玉川総研、武骨がある。よくぞ言った。
放送後は社内の各部署から、相当な文句が殺到したに違いない。勘違いしてる輩がやたら多いこの世界。
今ごろは、テレ朝のある六本木界隈の安い酒屋か高級クラブか知らないが、この玉川発言でテレ朝の連中が相当熱くなっていることだろう。
そう、玉川総研の言う通り、当時の私も含めてマスコミ各社に所属している以上は、スポンサーがいる関係で記者ではあるが、ジャーナリストとは恥ずかしくて自称はできない。
つまり上司や会社がお気に召す記事しか書けず、上司や会社はスポンサー様の顔色を窺った原稿しか通さないのが実情だ。
現在、講読中の清武英利著(前巨人球団代表)の「巨魁」の中にもこのような一節があるので引用してみる。
社会部記者は政治部記者を、記者として認めていないところがあった。反骨の読売新聞社会部記者として名を馳せた本田靖春は、著書「我、拗(す)ね者として生涯を閉ず」(講談社)でこう記した。
{赤坂の料亭で有力政治家にタダ酒を振る舞われ、政局に際しては、その政治家の意に沿った原稿を書く。取材先でコーヒーの一杯もちょうだいしないようにおのれを律している私たちからすると、彼らは新聞記者ではない。権力者の走狗(そうく)である}(以上)
走狗・・・つまり、狩りに連れていく猟犬のこと。政治家の手先を軽蔑した言い回しである。
どこの新聞社やテレビ局でも同じだが、テレビ局では戦地での危険な取材班より、視聴率が取れるバラエティー担当の方がお気楽で安全で手当ても厚く、その格差に相当な軋轢(アツレキ)もあると聞いた。
玉川総研は、そんな政治記者も社会部記者もバラエティーもひっくるめて自虐したに他ならないが、黙っちゃいない勘違い野郎もきっと多数いるだろうね。
「お前が放送であんなこと言うから、俺たちまでジャーナリストじゃないって思う視聴者も出てくるだろう」
「誰もあなたたちがジャーナリストじゃないなんて一言も言っていない。ただ自分はテレビ朝日の社員だからジャーナリストじゃないって自分に対しての事実を述べたまで。何か問題があるんですか?」
上の会話は安藤の想像ですが、外れていないでしょう。
頑張れ玉川総研、玉川徹局長。少数派日記は応援しますぞ。