少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

1320 悲劇カレー4

「あのさ、もう、アッタマ来たから一言言わせてもらっていいかしら?」
「えっ?いいけどどうしたの?」
「どうしたの?じゃねえよ、ふざけんなよ安藤。お前、いったい何しにここへ来たんだよ?」
「何しに・・・って、普通に酒飲みに来た・・・というか、おRちゃんの顔を見にきた・・・というか・・・」
「んじゃ、なんでカレーなんか注文すんだよ」
ここまでは、軽いジョークかと思っていた。きっとA君もB君もそうだと思う。
「そりゃ、おRちゃんの美味しいカレーが喰いたいからさ・・・」
「てめー今、何時だと思ってやがんだよ」
「何時・・・って2時ちょっと過ぎかな」
「おめ〜こんな時間に普通、カレーとか注文するか?こっちは酔ってるし疲れてるから本当はカレーなんか作りたくないんだよ。面倒くせえし」
「面倒くせえ・・・っつたって、そこの鍋に入ってるカレーを温めるだけだろう。今からカレー作るわけじゃねえし」
「だから、それが面倒くせえっつってんだよ。あたしゃもう作りたくないの」
「作りたくねえっつても、もう作ってあるじゃんかよ。あっためるのが面倒だったらあっためなくてもいいよ」
「おまえバカか?カレーなめてんじゃねえぞ。カレー出すには、パン焼かなきゃなんないの。きょうはパンがもう2枚しか残ってないから、これ3人で分けなきゃなんないけど」
「パン・・・ってなんだよ。食パンじゃねえか。そこまで言うならナンくらい出してみいや」
「ナナナ、ナンってナンだ?ナンがナンだか知らないけど、だいたい、こんな時間にきやがってカレー食わせろだあ?安藤、お前この店来て何年になる?まだ半年やそこいらだろ。そんなにカレー喰いたけりゃ、富士そば(24時間営業の立ち食いソバ屋)行って勝手に喰って来いよ」
「そこまで言われると、なんだか、どーしてもここのカレーが喰いたくなりました」と遠慮がちにA君。
「だから富士そばに行ってこいっつってんだろ〜が」
この時点で、僕もA君もB君も爆笑していたが、そろそろ僕の顔も引きつってきた。
「ここまで言っても、まだ喰いたいか?」
「まだ喰いたいか?って、もう鍋、火にかけてるし。きょうは引かん。ここまで言われたら絶対に喰う」
「安藤!安藤、お前、わらしがいつも優しいと思ったら大間違いだぞてめー。12時前のRと、それからあとのRは別人なんだから。ふざけんなよ、カレー作りたくねえんだよ・・・」
こんなSMチックな店(人)とは知らなかった。
新規さん2名をお連れして、ここまで罵倒されたとあっては、安藤もそろそろ限界に達してきた。
「おいRさん、冷静になれよ。俺たちがカレーを食わせろっつたんじゃなくて、あんたがカレー食べますか?って聞くから、んじゃいただきますっつただけじゃんかよ。それで、なんでここまで言われなアカンねん」
「わらしが、そう言ったけど、普通はこんな深夜ですから、要りませんっつうのが常識だろ。それが3人が3人ともお願いしますだあ〜?誰かひとりくらい気いきかせて、僕は要りませんくらい言えねえのかよ。3人来て3人ともカレーを食いたいとか、本当に本当に、てめ〜らふざけんじゃねえよ。ほんとにアッタマ来た」
Rが自分の彼女だったら「愛おしい」と感じて強く抱きしめるか「てめ〜こそふざけんな」と頬をはたくかどっちかになるんだろ〜な。
愛憎紙一重とはまさにこの瞬間か!
A君B君の手前、顔では笑っていた僕だが、この女は黙らせなくてはいかん、と強く拳を握りしめた刹那、僕の隣で熟睡していたはずの、流しの源さん85歳が突然、深い眠りから目を覚まし、僕にこう言った。
「旦那さん・・・一曲いかがですか」
(つづく)