少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

1724 死のたらい回し

こういう報道がないと真剣な検討にならないことが悔しい・・・というか、きっと真剣に検討されないだろう・・・。
医学の進歩はまさに日進月歩で、かつては、救うことが出来なかった命を、医療技術の飛躍や医療機器の開発により、救命率は格段に上昇しました。
しかし、それはあくまで、病院内という大前提がつきます。
ここまで医療が進歩し、かつ道路が整備され、ドクターズ救急車やドクターズヘリも登場したにもかかわらず、今回のたらい回し事件は明らかに人的ミス。これだけネットワークが構築されている現代で、現場ではアナログ作業とはね・・・。
以前にも書きましたが、休暇中の救急隊員が他県の高速道路で交通事故に遭遇し、咄嗟に被害者を救出し、被害者は、その初期救助のおかげで生命の危機から救われたにもかかわらず、その救急隊員は「業務違反」という形で免職になったと。僕の記憶では福島県の救急隊員で勤続29年のベテラン隊長。事故に遭遇したのは静岡県。たしかそんな感じです。
日本の救急システムは、意味不明な行政の壁が、いたるところに立ちはだかり、人命救助の妨げをしています。
(海外臓器移植の場合と同様のようにね・・・)


今回のようなネットワークシステムは、例えばセコムのようなセキュリティー管理の民間企業に委託すれば、効率的に済む問題です。
情報のインプットは人力なので、そこは各病院の事務オペレーターに徹底指導すれば、少なくとも救急隊員が、携帯電話で、一軒ずつ病院に打診するなどという原始時代の手法は回避され、リアルタイムで受け入れ可能病院を選択し、渋滞による混雑状況まで感知できるカーナビ情報で最短ルートで搬送できるわけです。そんなことあっという間に構築できます。
唯一の弱点は地震などで、電波障害が起こることくらいでしょう。


そうすれば、今回のような「死のたらいまわし」は激減するはずです。
ただ、病院も仕方ないことですが、基本的には営利優先ですから、受け入れてはいけない患者(=治療費が取れそうもない患者)マニュアルが闇で存在します。
それは、ある意味仕方ないことで、実は海外の(少なくとも中国と米国)医療機関では、意識不明とか、医療費を支払う能力が無さそうな患者は基本的に受け入れてくれません。


しかし、今後、日本は高齢化が急進し、年金生活者や独居老人の救急搬送が激増し、医療機関の負担も膨大化し、患者が病院に選ばれる時代に、確実に突入します。ですから、政府、厚生労働省の方針として、患者を迅速に搬送し、かつ治療して延命することは予算を圧迫するため、必ずしも「歓迎」されることではないのです。
そのため、民間によるネットワークシステムの構築は不可能に近いのです。


ーーー以下ネット配信記事です。ニュースの裏側を深読みしてくださいーー

久喜の救急搬送拒否:「輪番制」機能せず 病院照会、現場隊員まかせ /埼玉

毎日新聞 3月6日(水)11時25分配信



 久喜市の75歳男性が1月、県内外の25病院から延べ36回にわたって救急搬送の受け入れを断られ、死亡した事態は、救急医療の搬送現場が抱える問題点を改めて浮き彫りにした。同市を含めた地域では、医療機関が夜間や休日に交代で診療を行う輪番制を整えていたが機能せず、受け入れ病院の照会は現場の救急隊員任せだった。久喜地区消防組合消防本部はこの事態を受け、救急隊員による「病院照会10回以上かつ現場滞在30分以上」の場合は、本部指令課も照会業務に当たることなどを決めた。
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 「呼吸が苦しい」。男性が119番したのは1月6日午後11時25分。救急隊員3人が1人暮らしの男性宅に駆けつけ、同38分から埼玉、茨城両県にある近隣病院に受け入れが可能か照会を始めた。
 男性は当初、受け答えが可能だったが、7日午前0時半ごろから心肺停止状態になるなど容体が悪化。この間も、救急隊員は携帯電話で搬送先を探し続けたが、心臓マッサージなど人手が必要なことから消防隊員3人が応援に駆けつけた。
 受け入れ先が決まったのは7日午前1時49分。一度は断られた茨城県境町の病院に「頼み込む形で」(同本部)受け入れてもらったという。男性宅から約19キロ先の病院には同2時15分に到着したが、同3時39分に男性の死亡が確認された。
 久喜市など周辺6市2町では、10カ所の医療機関が協力し、夜間や休日に交代で診療を行う輪番制を取っていたが、男性は同市内の2病院にそれぞれ3回、県内外の8病院にそれぞれ2回にわたって拒否され、受け入れには至らなかった。断られた36回の理由は(1)医師不足などによる処置困難(16回)(2)ベッド満床(7回)(3)処置中(5回)−−で、専門外、その他がいずれも4回だった。
 同本部は「正月明けの最初の日曜で当直体制が手薄だったのかもしれない」と話す一方、病院探しが現場任せだったことを受け、救急隊員による病院照会が10回以上で現場滞在が30分以上の場合、緊急度に応じて▽本部指令課も照会業務に従事▽救急隊員を補助する消防隊員を現場に派遣−−することを決めた。【清水勝】
 ◇2月に事例把握 県が経緯調べず
 県医療整備課によると、救急搬送を円滑に行うため、1970年代から県内を複数の区域に分け、地区ごとに入院が必要な救急患者を搬送する病院を決めている。現在は14地区に分けて実施している。だが、医療圏内で診療できる病院がなかった場合の搬送手順や、他県との調整を行う仕組みはないという。また、県は今回の死亡事例を2月には把握していながら、詳しい経緯などは調べていなかった。同課は「情報収集を行い、今後は同じような事案が起こらないよう対応を考えていかなければならない」と話している。【西田真季子】
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 ◇男性の救急搬送を巡る経過◇
6日午後11時25分 男性から「呼吸が苦しい」と119番通報
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       31分 救急隊が男性の自宅に到着
       38分 久喜市内の病院に受け入れ要請したが拒否される。この病院を含め1〜8分間隔で埼玉、茨城両県の計25病院に延べ36回要請したが、すべて拒否される
7日午前 1時49分 受け入れを一度断った茨城県境町の病院に再度要請し、受け入れが決定
     2時15分 病院に到着したが、男性の死亡が確認される
3月6日朝刊
ーーーーーーーーー以上ーーーーーーー


今回のケースと違うが、これも忘れてはならない患者の放置・・・。