少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

1738 消えない心疵3

ーーーーつづきーーーーネット記事から転載ーーーーー


無力感を超えて:サイコロジカル・リカバリー・スキル


心理学的回復技術と訳せば良いでしょうか。兵庫県こころのケアセンターがネット上で公開しており、次のような内容が紹介されています。
•問題と目標を明確にし、様々な解決方法のアイデアを出し、もっとも役に立ちそうな解決策を試してみる。
•ポジティブで気分が晴れるような活動を考え、それをやってみることで、気分と日常生活機能を改善する。
•心や身体の反応が出てしまうようなきっかけを知り、対処する。
•自分自身の心が苦しくなってしまうような考え方は何なのかを知り、それをより苦痛の少ない考え方におきかえる。
•周囲の人との良い関係を作る。

何かをすれば全てが解決するわけではありませんが、何かをすれば、何かをした分だけ、問題は解決へ向かうでしょう。心がけてみること、試してみることは、大事なことではないでしょうか。


安易なポジティブ・シンキングを超えて:ポジティブ思考


兵庫教育大学の岩井圭司先生は、月刊『教育と医学』2013年3月号で、サイコロジカル・リカバリー・スキルに関連して、ポジティブ思考をすすめています。それは、単に明るく前向きに考えようというものではありません。
•時には逃げて良いと考える。
•計画通りに事は運ばないと考える。
•私の具合はあまりよくない、あなたの具合も良くない、それで万事よし。

こういう考え方が、大困難時の、ポジティブ思考なのでしょう。


自殺への思いを超えて


これからが、自殺予防の正念場です。うつの早期発見、早期予防が大事です。うつ病の人との接し方を学びましょう。そして、自殺予防のためには、周囲の人々が、一声かけることが大切です。死にたい、消えたい、遠くへ行きたいなどと語るのは、自殺のサインです。

そんなとき、縁起でもないこと言うなとさえぎったり、命は大切だと説教したりするよりも、話を聞いてあげて欲しいと思います。そして、聞いた側も一人で抱え込まず、みんなで支えたいと思います。そして、私たちの言動を通して、「あなたが死んだら私は悲しい」というメッセージが届くことこそが、自殺予防につながるでしょう。

参考:碓井真史著『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からの命のメッセージ』いのちのことば社


世界の崩壊を超えて


私たちは、自分の人生を、この世界を信じているからこそ、生きていけます。頑張れば良いことはある、善人には良いことが起こると、何となく信じています。

けれど、大震災は、被災者から全て奪い、心の世界を崩壊させます。世界は闇の底に沈み、努力は報われず、神も仏も存在せず、人生は空しく意味がないと感じ、絶望感に支配されます。

前述の岩井先生は、世界に安全な場所はないという「世界への不信」、人には頼れないと感じる「人間への不信」、そして自分は価値のない人間だと感じる「自分に対する不信」をあげています。

本当の復興とは、人間の復興、心の復興とは、世界と他者と自分に対する信頼を取り戻し、この心の世界をリカバリーすること、作り直すことだと思うのです。


希望:絶望を超えて


初めて津波被災地に立ったとき、その見渡す限りのがれきの荒野を見たとき、正直言って私は、復興できないのではないかと感じました。「心のケア」なんて言葉さえ、言ってはいけないのではないかと、感じました。

大震災から2年がたち、ようやく津波被災地の復興プランが見え始めても、いつまでにできるんだ、いくらかかるんだ、そんなこと可能なのかと、言いたくなってしまいます。原発廃炉に40年かかると言われると、どうしようもない思いにかられます。

でも、それでも、希望は、ここから生まれるのでしょう。

希望は、安楽椅子からは生まれず、悲しみの涙から生まれます。希望学の研究によれば、

希望は、新しい大切な何かを見つけ、そこに近づく具体的方法を知り、みんなと一緒に一歩を踏み出すときに生まれます。
写真絵本「きぼう:こころひらくとき」
全てを失ったとしても、新しい大切な何かを見つけたいと思いますし、それがただの夢ではなく、具体的な道筋をつけたいと思います。そして、考えているだけではなく、みんなと一緒に活動を始めたいと思います。

私も、一度でも訪れた被災地の町々が、まるで心の故郷のように感じています。世界が、東北のため、日本のために祈っています。


アメリカの9.11同時多発テロの後発行された写真絵本『きぼう:こころひらくとき』(ほるぷ出版)には、希望学の研究成果と同じメッセージが出てきます。そして、著者は後書きで述べています。

子どもたちに、世界は安全な場所だと教えたかった、苦しいときには助けてと声を上げて良いと教えたかったと。9.11から希望を学んだと伝えたかったと。

私たち日本列島に住む者も、3.11を通して希望を学んだと、子どもたち孫達に伝えたいと思います。