少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

1927 心の修業

スーパージェッターのタイムストッパーは30秒しか時間を止めることができないが、安藤総理の自宅ストッパーは4カ月くらいは時間を止められる優れものです。
あと、数時間、いや、あと数分・・・帰宅が遅れていたら、この家は間違いなく、よく夕方のテレビで観る片づけられない部屋、平成のゴミ屋敷になっていたに違いありません。


2月12日から4か月、126日ぶりの主のご帰還を待ち構えていたものは、玄関前に溜まった枯葉、室内には4か月間で積もった埃たち、安藤総理の寝床は冬布団に冬の毛布、居間のカレンダーに至っては2月のまま、なにもかもがあの日、そう激痛にアタマが真っ白になったまま、入院用の衣類とパソコンを詰めて、五十嵐隊長の護衛で3階から下山した、あの日のまま、何も変わらぬ状態で、現場は完璧なまでに「保存」されていた。これなら警視庁一係鑑識課からも文句は出まい。ショッカー刑事のお手柄だ。


で、トイレに入って、ウオッ・・・、風呂に入って、ウへッ・・・。これが、女子3人が暮らしていた家なのか・・・目撃した者でなければ語れぬ恐怖の戦慄。恥ずかしながら、話を盛っているわけではない。
とりあえず、応急処置はした。しかし、風呂場の掃除は、流れる黒カビのエキスが、開いている傷口から入るのではないか・・・とビビりながらのへっぴり掃除、いつか徹底的にゴム長を履いてやらねば。ふと脱衣場の床を見ると、何やら黒や赤の大きなセンベイが・・・。それはまるで、観光地でよく売られているカレー用の皿より大きいセンベイのようだった。
「なんだろう・・・」と思って、拾いあげてみると、それは、2月のあの日、安藤総理が洗濯できず、そのまま脱ぎ捨てた2枚のパンツでした。
おお、懐かしい、パンツ君2枚。よもや、こんな場所で、のっぺら坊のセンベイにされていたとは、ゴメンゴメンだよ。オレのパンツ、フロアマット代わりかい。


さっそく洗濯するも、今朝見たら、またいつものように、坊主憎けりゃの世界で、床にたたき落とされていた。まず、物干し場の床を掃除しなくちゃね・・・。
「2月に山一さんから蒲鉾届かなかった〜?」とショッカーに聞くや「そんなもんいちいち覚えてない」ですと。問題は蒲鉾ではなく、その中に「お金」が入っていたんだけど、それも一緒に捨てたのかな・・・?


昨日は一階と地下、二階と三階を、とりあえず、おおざっぱに掃除しましたが、やり甲斐がありました。床を拭きながら「オレは奴隷にされたシンデレラか」と思うとポロポロ大粒な涙が床に落ちて、水たまりになってしまいました。←これは嘘ですが、顔で笑って、心の中でまた、笑いました。
というのも、あれは忘れようにも思い出せない小学3年生のとある日、安城北部小学校3年星組の安藤総理は、担任の山本教諭にこんな質問を投げかけた。
「先生、我々は、ど〜して、毎日毎日、掃除させられるんじゃ?」
「チミたちが使った教室や廊下や校庭じゃろ、チミたちで綺麗にするのが道理というものじゃ」
「じゃあ聞くけどよお・・・、学童の主旨は、勉強や、友情の構築や、放課後の草野球だろ。文部省の指導要項にもちゃんとそう、書いてあるだろが。掃除なんかしとったら、草野球やる時間が無くなるやろが」
「バカモン、安部ちゃんの、美しい国を読まんかい、お前、そんなこと言うとったら、将来、総理大臣なんかになれへんぞ。真の友情とは、掃除を通した助け合いの精神の中からのみ生まれるものぞ。助け合いもできんやつが、草野球など、助け合いを必要とするチームスポーツなんてちゃんちゃらおかしいぞ」
「偽弁だ。皆の衆、騙されちゃアカンぞ。これは学童という、拒絶権を持たない労働力を乱用奴隷化して、清掃費用の無料化を図る国策だ。悪賢い大人に騙されちゃ、アカン。俺たちの草野球権を断固として行使するぞ」
「タワケ者! 用務員のジイさん、バアさんで、全部、掃除できんのわかるやろ」
「だったら、掃除夫を雇わんかい。世に失業者があふれとるやろ。我々が掃除をすることによって、国内の清掃業者が倒産しとる現実をどう見るよ?」
「キサンこそ偽弁かますなよ! 根拠なき現実論をかまし続けると、キサン、そのうち、みんなから、オミャ〜自民党だらあとか民主党だらあ・・・とか後ろ指さされるぞ」
「マジか?」
「おおともよ」
「それは困るぞなもし」
「だったら、わるいこと言わん。掃除せい。寺の坊主どもを見よ。あやつら、何故、毎朝毎朝、御堂の床を磨いとるかわかるとね? あれは、床を磨いとるわけやないど。あれはな、床を磨くふりをして、己の心を磨いとるんや・・・」
「己の心・・・と申されるか」
「いかにも。己の心を磨くとかけて、心の修業と詠む」
「そのココロは?」
「積むほどに光ります」
「いまいち、心に響きませんが・・・」
「心に愛がなければ、どんなに美しい言葉も相手の胸に響きません」
「それ、聖パウロ二世の言葉やろ。ってか、それ、こっちのセリフやし」


山本先生・・・生きているか死んでいるかわかりませんが、オイラ、今、心の修業、やってますよ。掃除・・・って楽しいな〜楽しいな〜。こんな楽しみを4カ月も我慢して、総理のためにとっておいてくれたショッカーと仮面ライダーたちに感謝感謝です・・・(涙)←もちろんうれし涙ね・・・。