少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

1990 Kさんからの依頼

今回の訪中はKさんからの緊急の依頼で来ています。よって渡航費宿泊代はKさん持ちです。そんなKさんからの依頼の一部を公開しましょう・・・。

ーーーーーKさんとのメールのやりとりーーーーー


安藤様
お疲れ様です。
時間があれば中国のグローブ事情を探って、ミズノが人気なのか、久保田スラッガーは中国で販売されているかなど。ミズノは中国製がほとんどですが、どのような表示で販売されているのか?を知りたいです。
よろしくお願いいたします。


ーーーー


Kさん、安藤です。

残念ながら、中国11年目にしていまだ、野球をやっている光景、そう、キャッチボールや素振りを含めてナマで見たことは一度もありません。
まだ、この国の人民にルールが複雑で、緻密で、道具に大金がかかり、アンパイアのジャッジがすべてで、ゲームセットまで3時間もかかるスポーツは1000年早いと思います。むしろ、陣地取りのようなラグビーは流行りそうですが、ラグビーも紳士のスポーツですからマナーやルールが重要です。よって、ラグビーも500年くらい早いです。


この11年間、少なくとも広州では、グローブ、バット、硬式・軟式ボールの類は見たことありません。デパートの中にミズノのショップはあったように思いますが、野球関係はなかったように思います。


「こんな堅い手袋、何に使うだ?」
「と〜ちゃん、それ手袋じゃねえべ、ナベ掴むやつよ」
「だべ。土方にゃ軍手の方が使いやすいもんな」
「んだ。それにしても、なんでこんなに高いべや?」
「ひう、ふう、みい・・・ありゃま、鍋が100万個買えるっちゃ〜」
「と〜ちゃん、早く家けえって、牛絞めて鍋掴み作るべや」
「んだ、んだ」

中国語で野球は確か「棒球」(バンチュウorバンチョウ)と言います。
野球が「棒」と「球」にしか見えなかったようですが、それを言うなら「野」と「球」よりセンスがあると思いませんか?少なくともわかりやすい。


なんであのスポーツが国によって「ベース」&「ボール」 「フィールド」&「ボール」 「バット」&「ボール」とみんな勝手にネーミングするのでしょうか?
「ベース」も「野」も必要ですが、絶対に必要なのは「棒」と「球」ですから、その伝でいけば、中国が一番、的を得ていると思います。バットボーイやボールボーイはいてもベースボーイや野少年はいませんからね。

球漫画「父の魂」はバット作りに命を懸ける職人の話ですが、ベースを作るのに命を懸ける職人はいませんし、ベースのイチローモデルもありませんから、やっぱりバットの方が、優先順位が先だと思います。
しかし、「バット」を「棒」の一言で表現されては、「父の魂」の存在は無になります。


グローブはちなみに「革軍手」(?)程度でしょう。
Kさんも同年代なので、子供のころは母親の手縫いによる布製のグローブに、手ごろな石ころ詰めた布を、麻紐でぐるぐる巻きにしたボール(ちなみに、重心が不安定なので、すべての球が手前で変化するので、変化球を打つ練習には最適です。弱点は1イニングごとにボールがダメになること)、ベースは空き缶でキャッチャーは壁だったと思いますが、さすがにバットだけは、棒を削ってというわけにはいかなかったので、友達のアニキの折れたバットにブリキを巻いてツギハギしたやつを、みんなで使いまわしていましたよね。
おっと・・・、Kさんは立教ボーイだからブルジョアでしたね、失礼、失
礼・・・。


過日のこと、飲み屋のオネーちゃんに叱られました。
「日本人、メンドクサイです(怒)・・・」って。
カラオケの画面に「掛け時計」が出てきて「あれ何と言うの?」と聞かれたので「掛け時計」だよと教えました。
「で、ちなみに、キミの手首にあるのが腕時計。あとさ、置時計、目覚まし時計、懐中時計、日時計、砂時計、キッツチンタイマー、ストップウオッチ、腹時計に体内時計なんてのもあるよ・・・」と教えたら、彼女、急に激怒して
「中国では時計は時計です(怒)、日本はなんで、そんなに時計いっぱいある(怒)。ワタシ、たくさん日本語勉強しても意味わかりません! 時計は時計でいいでしょ(怒)(嘆)(呆)」
「はい。安倍ちゃんに伝えておきます。いや、金田一先生かな・・・」


だからさ、バットも擂り粉木も、お笑いトリオ「我が家」のネタの「オレのバット」(ちなみに珍しい棒のことです)もさ、みんな「棒」で片づけられてしまうわけですよ・・・・。
というわけで、話は長くなりましたが、グローブの件、あまり期待しないでください。


安藤 拝