少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

2106 全身麻酔と不良高校生

あのころ、僕らは真剣に企んでいた。
学校帰りのH美を襲い、そして犯す・・・。


彼女の下校ルートはすでに調べてある。犯行の場所も確認した。
県道から右折し、市道に入って、数件の民家を抜けると、両サイドが田んぼになっている。ここなら人気はない。夏は陽が長いので、犯行は冬の夕暮れ時がいい。


しかし、ここで犯行グループの意見が分かれた。
「冬は寒いから、襲ってH美を裸にしたら、風邪をひかせてしまうのでは」
「もしかしたら防寒パンツを履いていて色気がないかも」
「パンストも履いているだろうから、破ったら、誰が弁償するのか」
冬の強姦反対派の筋は通っていた。
一方、夏反対派の抵抗は「蚊に刺されたら、どうするんだよ」くらいの稚拙さで「ムヒかキンカンでも塗っておけ」と言われ、あっさり却下。犯行は、夏、男女の蠢きが闊達になる時期に決定した。


法学部を目指しているヤツが言った。
「尻の下に風呂敷を敷いてやると和姦。風呂敷を敷かないと強姦になる」という。「ほー」と一同感心する。尊敬の眼差しになる。風呂敷はKが家から持ってくることにした。なるべく大きめのやつ。


そしてH美の自転車にわざと接触して、彼女を自転車ごと倒す係はM。比較的同じ方向で自転車通学。「迷子になった」と言えば、H美に「不信感」は抱かせないで済む。Mには犯行当日まで、自転車体当たりの特訓を課した。


問題はこれからだ。倒したH美にクロロフォルムを嗅がせる。ここまでは完璧だった。課題はクロロフォルムをどうやって入手するか?
ここで一同の眼がUに集中した。Uの実父は、当時、愛知県警の鑑識課長だった。「なんとか君の親父さんに頼めないだろうか」「たわけ、そんなことが出来るわけねーだろ」
「たとえば、成績を上げることを条件に、小遣いの値上げを要求したり、バットや参考書、ギターやバイクをねだるだろ、だから、キミの成績を上げるように、みんなで答案を回してやるから、成績が上がったら、クロロフォルム一瓶っていうのはどうだい?」
「できるわけねー。たわけか、お前ら・・・」とUは執拗にゴネたが、我々の一時間にわたる粘り強い説得と、順番を上位に回す、という条件をつけたら
「わかった。なんとか頼んでみるわ」とUはあっさり落ちた。


これにて完全犯罪は成立か・・・と思われた。しかし、ここでしっかり者のTが異を唱えた。
「お前らバカだなあ、もしクロロフォルムが手に入らんかったらどうするだあ?」「う〜む、確かに一理ある」。一同は尊敬の眼差しでTを見た。
ここでAが発言した。「やはり、太陽にほえろ方式でやるしかあるまい」
「いや、ちょっと待て。それは危険すぎる。我々はH美を犯すことが目的であって、傷つけることが目的ではない」Oが熱く反論した。



「そうだ、悪いのは俺たちじゃない。可愛すぎるH美のせいなのだ」


「で、チャカは誰が用意する?」
「俺が用意しよう。中学の時に貯金貯めて買ったやつがある」とA。
「口径は?」
「22のコルト」
「護身用か?」
「まあな。モデルガンだけど」
「問題は太陽のように本当に上手くいくのか?」
「やったことはない。ただ、柄の部分で後頭部をカツンとやれば気絶するはずだ」
「もし、失敗してH美の後頭部から出血した場合はどうする?」
「一応、念のために衛生兵を用意しておくか。保健係りのSも呼んでおこう」
「ところで、どれくらいの力で叩けば、気絶するのかな?」
「誰かで実験しておこう。それが無難だ」


せっかく、阿弥陀クジで、輪姦する順番まで決めたのだが、気絶させる実験台に誰がなるかでもめにもめ、H美強姦計画は未遂に終わってしまった。
白板に書かれた現地見取り図も虚しく、コーラの1リットルの瓶が何本も転がり、灰皿には吸殻のやま、カルビーのポテチとかっぱえびせんの抜け殻が散らばり、夜も白々と明け、強姦作戦会議は終了した。
我々はあらゆる手段を講じたが、愛知県警の鑑識課はやたら頭が固く、我々の要望には耳を傾けなかった。本当に使えないやつばっかだ。ばかばかしい。



なんじゃこりゃ〜
おいら全身麻酔だってさ〜
クロロフォルム嗅がされるのかな〜。