少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

2359 神ひとえ

御嶽山の捜査状況の続報。
知人から送られてきたメールの内容を公開します。すでに多くのメディアで実名報道されているので、あえてこのまま記します。


ーーーーーネット配信記事ーーーーーーー


 行方不明者の1人で噴火の時、19歳だった愛知県刈谷市愛知大学生野村亮太さんが使った登山用ストックが今月の先遣隊調査で見つかり、父・敏明さん(55)のもとに届けられた。敏明さんは手がかりを得たことに期待を持ちつつも「本人が帰ってくるまで区切りはつかない」。複雑な思いで再開を待つ。行方不明者の捜索は昨年10月16日に打ち切られた。敏明さんは「長い長い10か月だった」と振り返る。
 亮太さんの誕生日は7月16日。「亮太は御嶽山にいる。せめて、この日までに見つかってほしい」。その一心で、長野県知事や県警本部長宛てに早期の捜索再開を望む手紙も出した。亮太さんの部屋は整理できずに、御嶽山に出かけた当時のままになっている。「少しでも亮太の近くに行ってやりたい」。敏明さんは毎月、噴火した27日前後に、約3時間かけて御嶽山麓にある三つの献花台に向かう。その度に家族らが折った折り鶴を持参。これまでに供えた鶴は1万羽を超えた。
 亮太さんは高校1年の時、敏明さんと一緒に富士山に登った。初めての登山だった。高校サッカー部の主将を務めていた亮太さん。敏明さんは「優しくて人が嫌がることも率先してやるタイプ。黙々と山頂を目指す登山は、亮太に合っていたんじゃないかな」と話す。
 今月12日、捜索再開に向けて山頂付近に登った先遣隊が、尾根「八丁ダルミ」でストックを発見した。5年ほど前に敏明さんが購入したもので、亮太さんが御嶽山に向かう当日、母が手渡した。持ち手付近に敏明さんの名前が書かれたストックは、火山灰とみられる白い粉がこびりついていた。


ーーーーーーー以上ーーーーーーー


「早く見つけつて欲しいと思う反面、発見されれば、すなわち亮太の死を受け入れなければならない。だから、発見されないことを願う気持ちもある」。彼の言葉だ。
どちらに転んでも、家族には苦しみと悲しみしか残らないのか? 奇跡という選択肢を私は、家族が願うように祈り続ける。
再捜索後、すぐに発見された、新たなる犠牲者のご遺体。先の記事のストック発見情報と重ね合わせると、私は、そのご遺体が亮太君ではないのか・・・と、不穏な心臓の鼓動に悩まされた。
敏明や家族の方々にとって、その不安は計り知れない。
敏明は「区切り」という言葉を使ったが、彼の本心に「区切り」などあるはずがない。


ご遺体が、他人であったことを知り、第三者の私は、ある意味、安堵したが、敏明やご家族は、どんな気持ちだったのだろう。私は「覚悟」していた。
しかし、これはもう、神の領域であるのだと、私は神に委ねるしかないのだと、そう考えていた。
そして神が出した結論が、亮太君の「生存」の可能性を否定しなかったのだと、私はそう捉えた。
希望は捨てない。そして祈り続ける。あきらめない。祈り続ける。
敏明やご家族の苦しみの100万分の1も分かち合えない私だが、祈り続ける。
真剣に、祈り続ける。