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少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

2567 ラガーマンの逸品

食生活 グルメ ラグビー社会人

2017/3/11   明大ラグビー部黄金期のCTBプレーヤー一久保孝広さんのFB投稿記事です。

あまりにも秀逸、本当に唾が出るようなレポートなので、記録しておきたいと思い転載します。

もちろん、ご本人に了承済み。

ちなみに一久保さんは、本日記2540「ラグビートイメン論神鋼編」の筆者、現青学大ラグビー部監督の加藤尋久さんと、明大でCTBのコンビを組みました。

以下、転載記事です。

 

先日、もの凄い体験をする機会がありました。
某晩都内某所にて行われた、<感性の衝突から生まれる新しいマリアージュ「すし㐂邑」✕「GEM by moto」>。
私が最も好きな鮨店である『すし㐂邑』店主の木村さんは、自分にも厳しいですが、他人にも非常に厳しく、人に対する評価も辛口なことが多い。
その木村さんが大絶賛し、"妹"と出会ったよ!とまで言わせた、恵比寿『GEM by moto』店主の千葉麻里絵さん。
超高倍率だったこのイベントに幸運にも参加できることになり、私は、辛口の木村さんが絶賛する彼女と木村さんがどのような感性の衝突をペアリングでみせてくれるのか、本当にワクワクしながら参加しましたが、5時間にも及ぶ、味覚も嗅覚も脳みそもフル回転の刺激を受ける、ものすごいLIVEセッションでした。
木村さんが出した料理は、いつものメニューでも、この日明らかに感性の衝突でチューニングされたと思わせるような、ひと際鋭い仕上がりになった料理たちに、あん肝をパンに合わせたものや、アジフライなどいつもはやらない遊び心満載の料理や、今までに食べたことがない、鯵の押し寿司や金目鯛と九条葱のアラ炊きに、手打ち麺の修行をした麻里絵さんの麺と、木村さんの名物の一つであるスープドポワゾンが融合した、コラボならではのスープドポワゾンラーメン(!)など、できることならまた是非食べたいと熱望するような素晴らしい料理たち。
更に、もともと予定にはなかったという握りを、シグネチャーディッシュと言える熟成したマカジキの握りとカワハギの肝を挟んだ握りで。
そして、それに合わせる麻里絵さんの日本酒は、料理を引き立てるためにしっかりとロジカルに計算され、かつ試行錯誤を重ねた結果のものがバックグラウンドにあって、その上で頭をフル回転させて、その日のお酒の状態や木村さんの料理の状態に合わせて即興でチューニングしていくという非常にLIVEな、ジャズセッションのようなものでした。
ときに日本酒を50 : 50でブレンドしたものや、驚くことに日本酒に国産ワインや食後酒をブレンドしたものも合わせてきて、それがまた素晴らしいマリアージュとなって驚きの美味しさを感じさせてくれました。
そして、ある意味において木村さんの鮨、料理の魅力の重要な生命線の一つに、"香り"がありますが、この日の麻里絵さんの日本酒の提供温度のチューニングは、鳥肌が立つほど素晴らしかった。提供してから口に入るまでの時間を考慮して、氷水と燗をフルに利用した温度調整をものすごい精度で行っていて、見事に木村さんの料理の香りの魅力を損なわず、更にその香りの余韻を伸ばしていました。
お互いが持っている数多くの経験値やセンスの引き出しからお互いに技や仕事を繰り出し合い、事前に準備されたものを超える、その場のセッションならではのお互いの感性の衝突が、ある意味における勝負がそこにあり、その結果の木村さんの料理と麻里絵さんのお酒との組み合わせは、1の料理と1の酒を足すことで3になるどころではなく、お互いの衝突の結果が掛け算になるような、二次元の味わいが立体的な三次元の味わいになるような、そんな素晴らしい未体験ゾーンのマリアージュを体験させてくれるものでした。
改めて感じたのは、二人とも、今まで世の中に存在する、セオリーや常識、ルールやプロトコルにとらわれるのではなく、そして今までの世の中に存在した誰かや何かを追いかけているのではなく、自分のなかで追求するものを求めて、新しいものを創造するチャレンジをしているのだと。
だからこそ、この二人が作り出すケミストリーがとんでもない領域まで登っていくんだと。
とにかく、この日の体験はライブならではの一期一会のものであり、私にとっては、なにか新しい時代の幕開けといえるような偉大な瞬間、時間に立ち会ったような気にさせられるものでした。
私は、この二人は天才だと思っています。この夜のようなことが、誰もができるわけでもないんだろうと思いますし、鮨の魅力も、日本酒の魅力も、そしてそのペアリングの魅力も、他にも色々なアプローチがあるのだろうと思います。
ですが、とにかく今は、こんな稀有な二人の天才が出会った幸運に感謝し、そして、自分が同時代にこの東京で生きている幸運に感謝し、更に、超高倍率だったこのLIVEセッションを体験できた幸運にただただ感謝です。
本当に記憶に残るすごい体験でした。