少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

2440 NY紀行 17-3

3/26-17 FB投稿

NY深夜1時、瞼は重いけどまだ眠れません。読書です。
今回、私はミスをおかしました。旅行中に読むはずの本を5冊厳選したにもかかわらず、行きの機内で読むはずの2冊を家に忘れてきたのです。

一冊は太宰治玉川上水自殺もの。もう一冊はラグビーもの。

機内に持ち込んだはずが見つけられず、おかげで映画を5本も観れました。
さて、実は私、大した読書家ではありません。特に小説の類は興味がなく、もっぱらノンフィクション趣向です。
だけど、過去に長期入院を何度か繰り返し、フリータイムに任せ書いた未発表の小説3作、ノンフィクション1作が私のパソコンの中に眠っています。

どのように売り込んで良いのかわかりませんので蔵入り状態です。
唯一、東京中日時代の後輩で現月刊ゴルフ用品界という雑誌の社長の片山くんに自作を見せたところ、西村賢太の芥川作品「苦役列車」は読まない方が良いと言われ、その理由も聞かぬまま今日に至りましたが、100円で購入した苦役列車を今回の5冊のメンバーに選考し、読了したところ、片山くんの言わんとすることが、なんとなく理解できました。
芥川賞独特の不快感、消化不良感に加え、生理的な不潔感(女性には絶対にウケないと思う)などなど、あと味悪し、という印象でした。

これが芥川賞でなければフ〜ンで終わる作品なのに、この賞の選考基準は本当に摩訶不思議です。

ここからが本題ですが、今読んでいるのが佐瀬稔さんの遺稿集「残された山靴」

8名の日本人アルピニストの生と死について記されています。

佐瀬さんとは私の記者時代、東京中日に執筆いただいた経緯があり、個人的にも親交させていただきました。佐瀬さんの取材や文章を大いに参考にさせていただき、自称、弟子を自負しております。

金属バット殺人事件、女子高生コンクリート殺人事件など、佐瀬作品は全て読ませていただき、今回も再読ですが、やはり佐瀬さんの文章に触れると、本当に心が落ち着く感じです。信頼できるドライバーの助手席に座して熟睡できる気分です。
巻頭には、江夏豊さんの、それはまたそれでシビれる序文から始まり、美辞麗句を並べるだけが慣例の序文がひとつの作品になっているのです。

苦役列車を読むには苦労しましたし、あと味も酷いものでしたが、佐瀬文学の淀みのなさに、しばし心を洗われ、口内にへばり付いた痰のような不快を解消していただきました。