少数派日記

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“安藤総理の少数派日記”

2608 横浜たそがれ病院番外

4/25-17  FB投稿

横浜たそがれ病院の4219号室。西向きの窓。雑木林の向こうから、ゆっくりと黄昏が染み込んでくる。ひと日の終わりと、人の生の終焉を告げる鐘が深い寺から聞こえてくる。また今日もひとつ。

横浜たそがれ病院、ヘイゲン・シュー病院長は北海道の離島の出身。島に医師はいない。故に医師を志し津軽海峡を筏船で渡り弘前大学を出た。世界初の心臓移植の札幌医科大学での勤務、故に臓器移植とは関わらないわけにはいかない。師は脳外科医、それも 臓器移植の 脳死判定資格も有する。「ここからも数名の患者さんを脳死判定して(ドナーとして)送った」辛そうだった。

横浜たそがれ病院のヘイゲン・シュー病院長は多忙だ。病院長の職務の他に脳外科部長として通常勤務がある。市の救急指定病院故、夜勤もこなす。病院一階のセブンイレブンでよく見かける。買うのはいつもあんぱんひとつだ。「先生、ごはん?」と声をかけると「そう、今日もこれだけ」と照れる。金がないのかもしれない。

横浜たそがれ病院の財政は逼迫している。かつては従業員全員に振る舞われたクリスマスのホールケーキはロールケーキに降格。大晦日に振る舞われた年越し蕎麦セットも乾麺ひとり一袋になった。それでもこれがヘイゲン・シュー病院長からの最大の心配り。文句を言う者は誰ひとりとしていない。

横浜たそがれ病院は常に人手不足。昼間は患者13人に対して看護師ひとり。夜間は19人にひとり。法定ギリギリのラインで余裕はない、ローテはきつい。夜間の仕事の多くは数多いる雲黒斎たちの糞の始末である。故に多少、糞のついた手で配膳されようが、そこにケチをつけてはいけない。

横浜たそがれ病院のナースマンはとても親切である。しかし夜勤明けの検温の時は少し困る。ナースはもれなくシャンプーのいい香りがして爽やかな目覚めを約束してくれます。されどナースマンときたら、む、俺と同じ匂いやないか。早朝のカレーライスはいただけない。

横浜たそがれ病院の経理担当がしなだれる。トンズラする奴がいるんです。無銭飲食ならぬ無銭治療、つまり金を払わない。ある妊婦が子を産み、金を取りに行くからと退院したまま、帰らない。再三の催促にも応じない。みんな忘れかけた頃、その妊婦が再び病院を訪れた。やっと払ってくれるのかと思ったら、また妊娠したからヨロシクだと。横浜たそがれ病院は市民病院だから暖かく受け入れ、再びトンズラされた。