少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

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映画「0・5ミリ」について。
3回観ました。凄い映画だと思いました。
デルタ航空機内。羽田-LA NY-LA LA-羽田。正確に言うと、本当にレパが少なく、消去法で選んだ作品でした。タイトルからしてアウトじゃないですか! しかし、内容が凄いんです。こんな作品作る監督が日本にいるのか?って感じ。日本映画を滅多に評価しない私ですが、感激の3時間19分x3回でした。また観たい。

ストーリーは書きません。内容はコメディーではありません。テレビのニュース画面の中の現実は、現実なのに、見る側は、画面という非現実の窓越しに見るので、現実を非現実と認識して、決して自分ごとと捉えない。つまり現実なのに現実と捉えない。
3時間19分の中には、老い、孤独、老後家族、福祉、近親相姦、老人相手の詐欺、性欲、戦争、平和、愛情、感謝、貧困、老後の親子関係、ざっと思い返しただけで、個々独立した点が、スクランブルに散りばめられ、その絡んだ複数の糸は、結局、終わってみれば、一本の糸に繋がるという、なんとも後味の爽やかなまとまり。
これだけのテーマをわずか3時間にまとめるとは、天才としか言いようがない。映画の醍醐味は、作り手の展開を、観る側が予想できない結果になること、が私の持論。その伝でこの作品は、いくつかのショートストーリーが主人公のサワを通し、私の予想をひっくり返した。脱帽の極みでした。

主人公を演じた安藤サクラ、誰だろう。女優さんにしては美人ではない。に、しては凄い大物の配役。津川雅彦柄本明。特に坂田利夫の演技は見応えあった。アホの坂田さんに泣かされた。
エグプロが奥田瑛二さん。納得、彼のルートで大物俳優というわけ。津川さんの演技も本当に凄い、引き込まれるとはこのこと。で、監督、脚本が安藤桃子。サクラに桃か?なんだか姉妹みたいだな。機内ゆえ、まだ何も知らぬ私。おや、エンロールの中にフードコーディネーターで安藤和津の名前まで。安藤和津は奥田さんの奥さんだから、まあわかるけど。そういえば、安藤サクラ安藤和津によく似てる。
帰国後、調べてみると、みんな家族じゃん。桃子が姉でサクラが妹。

3回も見ると、いろんなところが見えて来ます。しかも良いところばかり。トランクにはちゃんと荷物を入れて重量感を出している。小道具も新品調達ではなく日常家庭のモノを使用。ロケ場所も、馴染み、親近感ある場所ばかり。セリフも映画ドラマ用ではない、日常語。全てのシーンがあり得る現実の風景。まるでドキュメンタリー。私が映画に求める全てのモノが凝縮されている秀逸作品。そして、大物の出演料以外、ほとんど費用をかけないという、営利目的ではない、内容重視、それも社会問題を凝視した鋭く柔らかい視点から。

冒頭に戻ります。
テレビ画面の中の現実を、非現実の画面を通すことにより、非現実として捉えてしまう現実社会。作品の意図は、現実と非現実との境目は、わずか0・5ミリの画面の向こうとこっち。それだけのこと。本当は、みんな繋がってる世界なんだよ、ということだと、私は解釈いたしました。