少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

3234 誰かの死を願う移植医療

2/11-18

FBFのみなさま、おはようございます。
晴天が続くと、こんなどんよりも新鮮に映ります。
ユーミンの「ベルベット・イースター」な気分です。

だけど、これはぬくぬくした窓の内側からの感想であって、窓の外の人たちには肌寒く憂鬱に感じることでしょう。

わずか10ミリほどの厚さのガラスの向こうとこちら。

行ったことはないのですが、あの世とこの世の隔たりも、もしかしたら、こんな感じなのかも知れません。

他人の死を願うということ。
考えたこと、あるいは実際に願ったことあるでしょうか?
無いという人、私は知りません。
「あんな奴、死んでしまえばいいのに・・・」
例えば死刑にならない極悪殺人犯、老人をターゲットにするオレオレ詐欺

嫌な上司、嫌いな同僚、あるいは親や兄弟や夫婦間であっても、意見が合わず、瞬間的にでも、そう思ったこと、ありませんか? まあ、それは感情的であって、「じゃあ殺しましょうか?」と実際にゴルゴ13がセールスに来た場合、支払い報酬の問題もあり、依頼には至らないわけですよね。

ところが、実際に、他者の死を願う自分と葛藤する立場の人々がいます。多数です。
移植希望待機患者の人々が該当します。いわゆるドナー待ち。
もちろん、誰ひとりとして、他者の死を心待ちにしてる人などおりません。

しかし、早く移植したいと願うことは、すなわち他者の死を願うこととイコールであるという算式になるのです。

私は移植希望の患者さんを他国の病院へ紹介し、お連れする仕事をしています。

患者さんは苦しい、だから私は早くドナーが見つかるように祈る。

そしてドナー情報が出たら、担当医になんとかそのドナーを私がお連れした患者さんに回して欲しいと優先をアピールする。つまり身勝手。

実際の待機期間ですが、平均するとだいたい30日。
中には超稀ですが当日という方もいました。
その患者さんは日本のゴルフ場でプレー中、山中だけど奇跡的に中国の私の携帯電話が繋がり、ゴルフを中断させ、パスポートだけ持って成田から中国に飛んでもらました。

空港から病院に着くや否や、1時間後に手術が行われた稀なケースです。
もうひとり。

たまたま、散歩中、パスポートと携帯電話を持っていたので、ジャージにサンダルスタイルで飛行機に乗ってもらった患者さんもいました。
逆に1年も待たせた患者さんもいました。

そんなわけで、私は患者さんのためとはいえ、毎日のように、医師にドナー情報の確認をする日々。

つまり誰かの死を望んでいたのです。

中国のドナーはその大半が死刑囚です。

よってドナー情報とはすなわち死刑情報です。

中国での移植医の優劣は単に腕だけではありません。

死刑情報とドナーを入手する手腕と比例します。

症例数が多いということは、つまりそういうことです。そこに中国全土から弟子が集う。

単に手術の技術を学ぶだけではなく、ドナー収集ノウハウも求めるが、これは明かしません。

名医の座を護るための企業秘密だからです。

ある時、とても人格ある女性患者さんが僕に言った。

彼女は日本で最高学位の学歴を持っていた元キャリアでした。
「安藤さん、私のために、そんなに医者さんと、交渉しなくてもいいのよ。そりゃ私だって、早く移植したいけど、私がそれを望むということは、私が誰かの死を願うということでしょ。それは少し違うと思うの。だから、自然に任せて待ちますから、あなたも負担に思わないようにね」

この女性患者さんとの出会いが、上記に掲げた内容に繋がります。

本日もついてます、感謝してます。

みなさま、良き一日を。