少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

3210 夢の女性の本当の死

11/27/18

夜、安城に着くと、知人女性から携帯に着信履歴がありました。
朝方にも、なんか用事の電話があり、余談をした。
「あなた、夕べたいへんだったね〜!」
「えっ!何?なんのことですか?」
「だって、お掃除に行った家の人、殺されてたでしょ」
「えっ、なに?わかんない」
「あなたが、バイトで掃除に行った家の、門と玄関の敷石の右脇に、そこの奧さん、血まみれで殺されてたじゃん」
「えっ、やだ、なにそれ。もしかして、安藤さんの夢の中の話?」
「うう、まあ、まあそうだけど」
「やめてよ、くだらない!」

先ほどの着歴に返信してみた。朝の女性である。
「あのさ、前に話したことあるけど、高校の同級生で、癌になった子のこと覚えてますか?」
「ああ、もちろん」
そっち系の生業なので、相談されたことがある。
「さっき、友達からメールが来て、今朝方、亡くなられたんですって」
「ええ!なんか元気で働いているとかじゃなかったの?」
「元気ではないけど、働かないと治療費が出せないからって」
「確か闘病生活、10年とか言ってたよね」
「そう、10年まで行かないけど、7、8年かな」
「お見舞いは?」
「それが、行ってない、というか、行けなかった」
「どうして?」
「彼女と親しい同級生の子から、彼女の病気のことは聞いていたの。でも本人が、絶対に誰にも言わないでって強く口止めされてたみたいで。じゃあ、知らないふりして普通に会いに行くのはダメかしら。いいえ、彼女、病気のせいで痩せ細り、とても昔の姿じゃないの。誰にも見られたくないって。だから、その親しい子以外、誰も彼女に会うことができなかったの」

電話の彼女と、亡くなられた彼女は女学校時代の同級生。10クラスもある都内マンモス校で、たった2人だけ、国鉄の車内販売嬢に就職して、新幹線の中で、台車を押して、冷凍みかんやサンドイッチ、アイスクリームにコーヒーを売っていた。私も彼女から帝国ホテル製のサンドイッチを購入したはずだ(もしかしたらね)。

とにかく親しい仲だった。

しかし、先方はやつれた自身を見せたくはなかった。

「実は昨日、家の近所のベーグルカフェに入ったの。そしたら、びっくり、隣の席に彼女がいたの。な、なんで、こんなところにいるの?心臓がドキドキしちゃった。しばらく、あぜんとしたけど、本当に本当に、そっくりな他人だったの」
「・・・」
「一昨日、ふっと、彼女、どうしてるかなぁって、何気なく思ってたところなの。で、昨日のカフェのそっくりな女性みた瞬間、もしかしたら彼女、死んじゃうのかなってつい口に出ちゃたの。そしたら一緒にお茶してた姉が、『じゃぁきっと、その人の姿を借りて会いに来てくれたんじゃないの』とか言ってたけど、本当にそんな感じだった」

彼女の死亡時刻、深夜01時45分。
私が怖い夢を見て、目が覚めた時間とピッタリ一致した。

彼女は丸一週間、意識不明のままだったが、臨終間際に、か細い声で、家族に「ありがとう」を二度繰り返した、と女性に送られたメールには記述されていたという。

もし、私の夢に現れた女性が彼女だとしたなら、それは、穏やかではない、壮絶な死であった。

メールにはこうも記されていたそうだ。
「友達は、彼女が苦しむ姿、痛む姿を傍でずっと見てきた。だから、彼女が息を引き取った瞬間、もうこれで彼女は苦しまなくて済む。苦しむ姿を見せなくて済む。悲しいけれど、私は安堵しました」と。