少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

191  上郷のトヨジがれ・2

昨5日、トヨジから僕の携帯にメールが入りました。
「岡崎の花見は国道1号線からは見えないよ・・・。城の南側(国1とは反対側)のすご川のほとりはテキヤと人でいっぱい・・・」と。
これは少数派日記NO189・東海道花見紀行で、岡崎城の花見は何の工夫もなく人がぜんぜん居ない云々と書いた僕に対するレスポンス。そうです、トヨジは「少数派日記」のヘビー読者のひとりなんです。
岡崎城の花見のくだりは、物事をあるひとつの角度(自分の眼に映る範囲)からしか見ていないくせに、全てを語ろうとする典型的な批判文章なのです。世の中に数多いる評論家という生き物のほとんどは、このように、たったひとつの現象からしか物事をとらえないのです。物事を点と線だけの2次元(平面)だけでとらえるのではなく、3次元(空間)、4次元(時間と空間=時空)と考えられるあらゆる角度からとらえているかどうかを、受け取る側の目線で吟味する必要があるのです。
そして、自らの非をあたかも他人事のようにさらりとかわす厚顔さは、評論家のみならず、この時勢を生き抜くためには必要な業なのです。
今回の一件では徳川家ならびに岡崎城関係者のみな様、並びにテキヤ連合様、花見見物客のみな様には多大なご迷惑と誤解をおかけいたしましたこと、お詫びして訂正申し上げます。でもね、上野公園や井の頭公園のように、人様の御座の上を縫って歩まねば自分の御座にたどりつけないようなおしくらまんじゅう花見は僕は好かん。あんな広々としたスペースがあるならば、あそこでやりゃあええが、と思うのですが、これも少数派たる所以です。
さて、件のトヨジですが、豊田市の上郷(かみごう)中学の出身で知立(ちりゅう)高校で知り合いました。上郷中学からはたった2人の卒業生しか知高には進学しておらず、大挙して押し寄せた地元の知立中学出身者が自民党だとするなら、上郷中学はさしずめ田中康夫氏の新党日本といった立場でしょう。
当時、自民・知立中学に単独対抗できる野党中学は存在せず、豊明(豊明市)、富士松(刈谷市)、矢作(岡崎市)、桜井、安城北(ともに安城市)花園(豊田市)あたりから細々と集まっていました。
トヨジとは3年間、ラグビー部に所属し、ほとんど一緒でした。当時は「お前(安藤)はガタイでかいからフォワード、お前(トヨジ)はチビだからスクラム・ハーフ」と上級生に体格だけで判断され、あっさりとポジションが決められました。確かに僕らの時代(といっても10年くらい後ですが)は早稲田の堀越や明治の永友ら、小回りのきく小兵がSHとして日本代表の全盛でした。しかし現在の世界レベルでは身長180㎝を下る代表SHなど存在しないくらい、大型化が進み、2019年、日本開催のラグビーワールドカップでは、手の長い外国人フランカーに、身長のない日本人SHは片手で動きを止められてしまうだろう・・・などと話の流れを大幅にずらしてみました。
当時のラグビーボールは現在の軽いラバー製とは違い革製で、雨の日の試合など、雨水を吸い込むと鉛みたいに重くなり、小さな米俵をパスしてるような重労働でした。また、部費も乏しく、全部で10個あるかないかのボールを、練習後、一年生が一時間近くかけて「自分の顔がボールに映るまでやれ」(上級生)と磨かされるわけですが、そんな物理的に不可能なことをやらされる時間があるなら、その時間をもっと練習にあてろと思いつつ、そんなことを上級生に進言したら「インキン先輩のインキンをうつされるぞ」と脅されて、みな黙々とボールを磨いたもんでした。
ところでトヨジがれ(トヨジの家)は最寄りの名鉄・新安城駅からいったいどれくらいあるのだろう。とりあえず歩いては行けません。もし歩く気なら、昼用と晩用の二食分の握り飯を腰に巻き、暗くなった時のための松明(たいまつ)か行燈(あんどん)を持っていかねばなりません。陽のあるうちにたどりつけばラッキーだろう・・・と。多少大げさな表現ですが、高校生の頃は、マジにそんなふうに思っておりました。
どっぷりと陽が暮れて、泥と擦り傷、腹ペコの中、足もガクガクでびっこをひきながら帰る毎日。新安城から自転車でトヨジと一緒に帰りますが、僕の家はトヨジがれの途中なので、先に消えます。
さあ、ここからトヨジの孤独な帰路が始まります。電燈もわずかな田んぼ道。はるかに見える灯火は民家の灯りか火の玉か。暗闇の中、追いはぎや、一反もめんらの恐怖と戦わねばなりません。道に飛び出したカエルやマムシを自転車で轢くことは日常茶飯事。たまに見かける駐車中の車をなんだろうと覗いてみると、若い男女がウッフンハッフ〜ン。よくもまあ、3年間も通ったもんだと今さらながら、関心しますが、トヨジはそんな優等生ではありません。3年間もおとなしく自転車で通学するはずもなく、途中でバイクの免許を取り、学校では禁止されているバイク通学に切り替えました。学校当局に見つかれば当然停学処分ですが、そこは要領良くバイクを隠し、何食わぬ顔で登校です。轢かれたカエルとマムシの数は倍増されましたが、追いはぎの恐怖からは解放されたようです。
「お前、とろい(アホな)こと言っとるじゃねえぞ」とトヨジは必死で否定すると思いますが半分は事実です。
バイクを持ったトヨジの行動範囲は格段に広がり、僕の知らないところで、僕の小中学時代の友人たちと繋がっていたりするのです。
例えば角川(すみかわ=東海道花見紀行参照)。角川は僕の中学時代の級友で違う中学出身のトヨジとは接点がないはずですが、角川はトヨジのことを昔からよく知っているとのことでした。
聞けば角川の幼馴染で高校時時代にバイク事故を起こしたN君(東海道花見紀行参照)とトヨジがバイク仲間で、その繋がりだそうです。その繋がりで行くと、僕の小中時代の悪ガキ連中とトヨジはほぼ全員と繋がっているようでした。都会とは違い、田舎では小中高のどこかで重ならないと、そのコミュニティーの顔役にはならないものですが、トヨジの場合は人なつこい性格でしょうか、だいたいどこでも中心人物になる人気者です。
高校時代は女子にはモテモテでバレンタインにはトヨジの自転車のカゴに本気チョコが3つも投げ込まれていたのは、当時衝撃的でした。チョコよりタバコのトヨジなので、チョコは全部僕が引き受けましたけどね。
さあ、これだけ持ちあげたので、安城の喫茶店の件、きっと良い返事をくれることでしょう(つづく)。