少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

295  auで警官に囲まれる2

「では、明らかに不良品と思われるバッテリーだけ新品のと無料で交換してくれ、もう時間の無駄だ」
「それも出来ません」
「どうして?」
「規則ですから」
「規則規則・・・ってあんた、明らかに客に不良品を売っておいて、迷惑かけて、店は不良品を販売したという責任は無いのかね」
「そう申されましても一応規則ですから」
「もういい、あんたじゃラチがあかん、店長とメーカーの責任者を今すぐここに連れて来なさい」
「本日、店長は休暇をとっておりますので私が対応させていただきます」と現れたのが、副店長と名乗る女店員で後に警官を呼ぶように指示した者だ。
話は最初からの繰り返しで、この副店長も先ほどの女店員と同様に「規則ですから」をオーム返しのように繰り返すだけ。客に不良品を売っておきながら、迷惑をかけているという認識がまるでない。お前たちはテープレコーダーを内蔵したロボットなのか?
その間にも男の電話は忙しく鳴り響いた。
明日から出かける中国での業者からの追加の支入れ注文。その次に出かける中国の飛行機のチケット予約。保険の事務手続きなど・・・。
そして「規則規則」の不毛の時間が延々と続く。最初の来店から1時間半を過ぎた6時30分。再び男の電話が鳴る。今度は、家で男の帰りと夕飯のおかずのコロッケを待ちわびる小学4年生の少女からだった。
「ぱぱ、いつ帰ってくるの〜」
男は、一年のうち3分の1くらいしか家に居ない。小学4年生と夕食を共にできるのは年に数えるくらいだ。夏休みの今夜は4年生が食べたいというコロッケを買って6時前には余裕で帰る予定で、散髪にも行くつもりで出かけたのだ。それが、まさかここで「規則屋」につかまるとは。レジ袋の中のコロッケはとっくに冷めている。
「それでは、電話の修理はお取消しということでよろしいでしょうか?」
「その前にバッテリーはどしてくれるの?」
「いずれにしても書類にサインをいただかないと・・・」
「だから、同じことを何回も言わせんなよ、このヤロー」
ついに男の堪忍袋の緒が完全に切れ、あとは熊本は藤崎台球場で中日の宮下昌巳投手が巨人のクロマティ死球をぶつけ、その後クロマティのグーパンチで大乱闘になった時、世界の王さんに殴りかかろうとした時の星野仙一監督の怒り炸裂の如く、猛烈な弩号を店内に轟かせたというわけだ。
泡くった女副店長が警察に通報を指示したのは冒頭の通り。それにしても、男の店員が何人もいたのに、誰も仲裁しようとせず、普通に他の客と接客してる姿に、昨今の草食系を見たというか、こいつら金多摩ついとるんかいと、いささか寂しくもなった。
かくして警察官4名登場。
(つづく)