寒い、半そでのＴシャツではもう限界だ。僕は長袖のシャツを探したけど無かった、実家なのに。そして今気がついた。僕が安城を出て33年。考えてみたら、僕はこの家に住んだことがない。したがって僕の荷物はほとんどない。夏に小さなスーツケースで運んだ、わずかな着替えだけだったことに、今気がついた。
どうもいつもよその家に来ているみたいな感覚だったのはどうやらそのせいだったのだ。僕が高校を卒業してから、すぐに、この家ができた。考えてみたら僕は前の家からの引っ越しにも立ち会っていない。僕の荷物は勝手に処分されたのだろうか・・・。
まあ、昔のことは考えても仕方ない。それより何とかしなければ。
母親が「これ着てみたら」とＳサイズの親父の背広を出してきた。僕は２Ｌか３Ｌの巨漢。いくら80過ぎの老婆でも、これは明らかにサイズ違いで着れないとわかるだろう。バカ息子に対する親ごころは有難いが、試しに着るまでももなく、100％無理。それに親父の形見の背広を着てペンキを塗るのもどうかと思うし・・・。
とりあえず、イト―ヨーカドーに向かった。780円のヒ―トテックの長袖を見つけた。２着買うと10％オフだそうだ。迷いに迷ってやめた。東京に帰れば服はいくらでもあるし、中国にも置いてある。今は店に金がかかるので、結局、パジャマを羽折ってやることにした。
母親が「きょうは段ボールの回収の日だ」というので、床を保護していた段ボールをすべてはがし、ゴミ収集所へ持って行ったら「段ボールは来週の水曜日です」と言われた。以前もまったく同じように、母親に騙された。まあ仕方ない。
本日は入口の改装作業。トヨジだったら半日もかからんだろう作業に、結局僕は一日を費やした。
