少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

407  喫茶店営業状況1(開店編)

2010年11月10日。マニュフェスト通り、何の偽りも無く、正々堂々と、静かに人知れず、おっかなびっくり、小さな希望と大きな不安にも負けず、まあなんとかなるやろ、失敗しても命までは取られん、と思いつつ、新安城レトロカフェ「ビリケン」は開店いたしました。
「本当に出来ちゃってスゴイ」。そんなメッセージ入りのピンクと白のゴージャスな花籠が東京の彫刻家・山本先生から届きました。本当に出来ちゃいました、廃材と廃品だけで・・・。
「さあ、何から始めましょうか?」
この人はとことん朝から元気の塊のO改めM店長。もの凄いパワーを持って7時半に登場。
「さて、何からやろうか?」実は僕にもわかりません。
「とりあえず音楽でも聞こうか?」
「賛成!」
「じゃあ君と僕の好きな徳永さんでも・・・」
「わ〜最高〜」
とりあえず、徳永さんのバラードで彼女のテンションを少し下げる・・・と。
「じゃあ、モーニングのゆで卵の用意とトーストを焼いてトースターの具合でも調べようか」
「は〜い。ねえ、ゆで卵ってどうやってつくる?」
「ゲッ、いまさらそんな・・・。君は料理の鉄人という触れ込みだが・・・」
「あっそうじゃなくて、堅さとかあるじゃん」
「そりゃ、一番美味しい堅さでお願いします。君に任せたから」
「は〜い」
うん、なんだか朝から幸せな気分だ。
午前8時。開店と同時にアルバイトのカスミちゃんが時間通りに来る。エラいぞ。よし、ここまで完全に順調だ。ノーミス。
「さあお客さん来るかな」と僕。
「たくさん来るといいね」とM店長。
「お客さん来ないよ。だって看板出てないもん」とカスミちゃん。
「う〜ん」と一同。
よし、と僕は大きめの段ボールをカッタ―で切り、3色の油性マジックで看板をつくり、それを一階の壁にガムテープで貼った。一枚でダメなら二枚、二枚でダメなら三枚と芸術作品を作り、今どき学園祭でもお目にかかれないアドボードを店先に並べてみた。
うん、確かにインパクトはあるが全然目立たない。割れたガラス窓に応急処置をしたようなものだな・・・。
これではどうかと、店にある一番でかいビリケン様を外の椅子に座らせてみた。二階の窓越しから見えるイトーヨーカドーの2000台の駐車場は平日なのに、すごい勢いで埋まっていく。そうか、きょうはドラゴンズ残念セールの最終日、すごい盛り上がりだ。
「ねえ、誰もこーへん。私だんだん心配になってきた」とM店長。
「大丈夫。いつかは誰かが来る、きっと」と慰める僕。
「ねえ、モーニングのシュミレーションって一回もやっとらんけど、大丈夫かな〜。私、一回やっとかんと落ち着かん」
「それもそうだな。じゃあ、外に行って通行人でも連れてくるか?」
「お願〜い」
この時点で10時少し前か・・・
僕は外に出た。が、通行人がいない。ヨーカドーにはどんどん人が吸い込まれて行く。暇そうな人、暇そうな人・・・僕は目を凝らしたが、暇そうな人も忙しいそうな人もどっちも居ない。なんやねん。
やっと見つけたのはすぐ先のマンションの下で雑用をしていたおじさん。
「すみません、マンションの管理人さんですか?」
「そだよ」
おおやっと見つけたぞ、何とかなりそうな人。僕が事情を話すと快諾してくれた。ビリケン開店初日、第一号のお客さんだ。これでカスミちゃんもM店長もシュミレーションが出来る。野球でもそうだ、一度、打球が飛んでくれば、緊張感がとれ、あとは楽にプレーが出来るというもの。おじさんの協力は大きい。
この時刻から、なんだか続々と花屋さん、宅配便さんから花や植物のお祝いが届く。これは全く予想していなかったことだ。
巻頭の山本先生をはじめ、千葉から予備校時代の仲間・藤島君からはものすごい胡蝶蘭が・・・、これ高そう。
赤ん坊が生まれたばかりで金がないはずの甥の良一一家からも幸福の木が届いた。これは母親宛てだろう「井畑刺繍会」さんからそれは美しい花かごが。ご近所の花井さんからもひときわ大きな花かごが・・・これも母宛だ。M店長とH子のお友達の石原さん、笹野さんから、同じく藤原さんからも。写真は全部写したけど、ブログにアップするテクはない。ああもったいない。午後には幼馴染のM子がやはり花の鉢を抱えてきてくれた。ああ、こんなだったら花の名前くらいしっかり覚えておけばよかった。綺麗な花ばかりだが名前がわからん。
昨日は昨日で店の1階のブティック「タンタン」さんの高橋社長が自ら胡蝶蘭を届けてくださった。そのあとに、やはり「タンタン」の女性スタッフ沓名さん、宮崎さんから植物いただいた。朝一番で島田電工さんからも素敵な花鉢が。その前日にはコクネ石油さんから大きな観葉植物を2ついただいた。同級生のMさんからも・・・。
開店日の午前、お客さんの数より贈られた花や植物の数の方が圧倒的に多いという状況。昔、銀座の高級クラブでこんなたくさんの花々に囲まれた光景を目にしたことはあったが、まさか自分の店がこうなるとはまったくの想定外。こんなに嬉しいことはありません。
さらに同級生の古橋君から祝電が届きました。近所の母の知り合いのナガシマ美容院さんからは高級菓子を。小学1年から高校3年までの12年間を過ごした井畑団地のお隣の井上さん、叔父(母の弟)さん夫婦、姉夫婦、甥の宗平夫妻からもご祝儀をいただきました。多くの方々から支えていただいたことを実感した一日でした。
これでは逃げるに逃げれないですが、実はトンズラすることに決めました。(つづく)