少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

542 私的近況報告14

1/30、上海、快晴。きょうは日曜日ですが、中国では2/3が正月(旧歴元旦=旧正月春節=一年で最も重要な祭日)のため、本日はすべてが平日同様の営業。日本で言う御用納めの日です。2/2が大晦日
「少数派日記」は時間を遡って、安藤の近況を書いているだけです。お忙しい方はスルーしてください。
1/25(火)。上海虹橋駅に到着。タクシーにて目的地の日本レストラン「G」へ80元(約1000円)。上海の物価は東京、NYと並んで世界3大高額都市だが、タクシーだけは安いので救われる。
上海に進出して3年、その間ずっと不調のこの店の再建が、今回の安藤のミッションである。日本のK会長の依頼だが、フルコミッション、完全成功報酬だから経費も安藤持ちだ。日本で話を聞き「イケる」と判断したから来たのだが、話を聞いてから3カ月以上が経過。その間、当方の入院が6週間あり、事態がさらに悪化し、僕が来た時点では、本当に首の皮一枚・・・の状況。かなり厳しい。でも、まだ首の皮一枚、繋がっている。チャンスは0%じゃない。1%に賭けるしかない。
到着してS店長と話すこと2時間。どうにもならない状況。しかも一刻を争う。心肺停止状態まで、ほとんど秒読み段階である。とにかく、すでに自力呼吸は無理、とにかく人工呼吸の応急処置で命をつなごう。
僕は、おもむろに携帯を取りだした。これが最初で最後の手段。この電話一本に全てを賭ける。上海のゴッドハンドに「SOS」。
この人が上海に居るから、僕は、この難題を引き受けた。つまり、彼がいなければ来なかった。そう「切り札」だ。野球で言えば、大量にビハインドの中盤。もしここで1点でも取られれば完全にコールド負け。しかもノーアウト満塁状態。あとのことなど、あとで考えるしかない。僕は躊躇なく「岩瀬」をマウンドに送るしかない。「岩瀬」が打たれれば誰を出しても、結果は同じ。「岩瀬」で負けれな悔いも残るまい。これ以上の投手は、もうベンチに居ないのだから。しかも「岩瀬」は日本球界最高のストッパーだ。打たれるわけがない。
僕はそんな想いと願いを込めて「どうか彼につながりますように」と携帯を鳴らした。世界中を飛び回る彼が、今宵上海に居る保障など、どこにもない。しかし、繋がった、しかも一発で・・・。
「日本の安藤です、覚えていますか?」「おお安藤さん、もちろん覚えていますよ。今、どこ?広州?」「今、上海です。上海に居ます。Kさんは、どこ?」「私も上海に居ますよ。おととい帰ってきました」「本当ですか、実は助けていただきたいことがある。ぜひ、お会いしたいのですが、時間ありませんか?」「そうねえ、会うのはぜんぜん構いませんが、スケジュールがねえ・・・。ちょっと待っててね、今、確認します。安藤さんはいつまで上海に居ますか?」「Kさんに会えるまでいつまでも居ます」「アッハハハ・・・そうですか、じゃあ今夜はどう。食事時だし、一緒に食事でもしますか・・・」「本当ですか〜。嬉しいです。ありがとうございます。私、今、日本のレストランに居ます。そこでお会いしたいです。いいですか?」「わかりました。じゃあ住所教えてくださいね」
Kさんは、中国アムウェイのクラウンアンバサダー。アムウェイを知っている人ならクラウンアンバサダーが、どれだけ凄いか分かると思う。ひと言で言うなら「雲の上」の存在だ。年収2億円超。
広州で中国人相手にアムウェイのビジネスを細々とする僕に、Kさんは、多くの仲間(ブレーン)を紹介してくれた。その人たち曰く「安藤さんは本当にKさんを知っているの?実際に会ったことあるの?」と聞かれる。僕は水戸黄門の印籠のごとくKさんとの2ショット写真を彼らに見せる。すると皆「へへ〜恐れ入りやした・・・」と僕を尊敬の眼差しで見直す。これマジの話です。
「おい、やったぞS店長。Kさん、今から店に来てくれるって」
「マジですか〜」とS店長。喜んだものの、彼はアムウェイを知らないので、Kさんが到着するまでの小一時間、Kさんの凄さをレクチャーする。
上海で彼の講演会があると1万枚のチケットが即日完売。会場の回りにダフ屋が出る。台湾公演では3万枚が即日完売。年6回、上海で1200人規模の定期講演会(ラリー)を主催。月2回は120〜200人規模の彼にとっては小規模なミーティングを主催。その間、主に日本、台湾を中心に世界中に行く。
Kさんの協力を得られれば、なんとかなるかも知れない。今、岩瀬がブルペンからピンチのマウンドに歩を進めている。Kさん、本当に来てくれるのだろうか?そんな疑念はまったくない。一旦、約束をして、どんな理由が出来ようと、それを反故にするような人物が、まかり間違ってもアムウェイのクラウンアンバサダーには成りえない。この16億人(公表は13億)の中国で18人しかいないクラウンアンバサダーだ。僕とS店長は固唾を飲んだ。(つづく)