少数派日記

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“安藤総理の少数派日記”

548 私的近況報告20

台湾と中国の国交が正常でないことは周知の通り。その理由をかいつまんで解説すると、台湾は明末、清初時代(西暦1600〜1700年ころ)に中国領となった。その後、日清戦争(1894〜95)で日本が勝利し、台湾は日本領(植民地)となる。今からわずか115年ほど前の話だ。
そして、第二次世界大戦で日本が敗戦した1945年に中国に返還されたが、そのわずか5年後に、中国国内で中国共産党率をいる毛沢東政権に敗れた反共産党で国民党の蒋介石政権が台湾に移り、中華民国(台湾)として独立した。北朝鮮と韓国のように同一民族ではあるが、現在に至るまで国交は断絶されている。
ともに、それぞれの洗脳教育を受けているため、政治思想、理念が違うため相交わることはない。客観的な印象は犬猿の仲だ。
このような翻弄された歴史の中から台湾の人たちが得た体験を、彼らは巧みにビジネスに取り入れている。こと中国における飲食に関しては、台湾人のセンスは図抜けている。
政治レベルでは日本と中国に深い溝はあるが、大衆レベルでは、まだ日本というブランドが幅を利かせている。例えばファッション、ヘアスタイル、自動車、家電、アニメ・・・などなどだ。その中に飲食という分野もある。「日本料理」というカテゴリーはヘルシーという部分で関連し、世界的にもブームは続いている。だから、と言ってそれをそのまま日本からダイレクトで各国に持って行ったのでは、9割が失敗組だ。
成功した1割は運良く日本人客をつかんだに過ぎず、おそらく地元客はほとんど居ないはずだ。ロスやNYにある寿司や日本料理も全体からいくと7割近くが中国か韓国経営で、厨房では不法入国のメキシコ人が寿司を握ることも珍しい光景ではない。逆に言えば、日本国内の中華料理店で何割の日本人が厨房に居るかを考えれば、それも頷けるでしょう。
つまり、そこには地元の人間に受け入れられる完全なる工夫が必要というわけです。それは味付けであり、値段であり、内装であり、広告であり、立地であり・・・と。
外見は似て見える日本人と中国人ですが、味覚から思想、価値観や生活観まで極端に違う部分があまりにもかけ離れている。しかし、その両者を熟知している台湾は、それを巧みにアレンジして、オリジナルの飲食文化を完全に確立し、中国人に受け入れられる日本食、あるいは台湾食というカテゴリーを形成させているのです。
今、中国で中国人以外で食文化の成功を収めているのは、間違いなく台湾人。その証明が「ロイヤルホスト」と「グラッチェ」の差なのです。
それから数日後、S店長は「安藤さん、もう一軒、見せたいところがあります」と、こんどは「G」から徒歩で「サイゼリア」に連れていかれた。後述するが、もし、この「サイゼリア」が「G」から徒歩で3分圏内にあったとしたら、僕らはもう、荷物をまとめて、撤退するしかないだろう。