少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

622 最後の桜2

4/15(金)。僕は三宿の軍人病院へ行く。3カ月ぶりの検査だ。血液検査と右足のレントゲン。削られた骨が再生され、また延びている。驚異的なことだ。
そして、ここには、まだ桜が咲いていた。最後の桜だ。
正門から病院まで100メートル弱の桜並木。風に揺られ桜吹雪が舞う。舗道をよけ、芝生との境目にかすかに存在する土の部分に桜が積り、まるで雪が積もったような感じだ。そして、その中から黄色いタンポポが咲いている。カメラの心得はない僕だが、そんなワンシーンをデジに収め、ブログに掲載できたらなあ・・・なんて思った。心安まる風景だ。
そう言えば、去年の今ごろは、安城北中の同級生のS川と帰郷し、東名高速沿いの桜、上郷のトヨジがれの裏の神社の桜を堪能したんだったな。想い出した。
さて、軍人病院のDr・M嶋のニ階の診察室の窓には手を伸ばせば届きそうな桜の枝がしなだれている。「いい部屋だな。羨ましいぞや」と声をかける。「いい感じで指くっついていますね」とM嶋医師が応える。
M嶋医師が他の患者の診察を終えるまで、僕は外に出て桜の花びらと戯れた。風に散る桜の風下に立ち、落ちてくる花びらを野球のボールに見立て、キャッチする。桜の千本ノックだ。ところが、実に難しい。僕は30分以上、飽きずにノックを受けたが、まともにキャッチすることは、たったひとつの花びらさえできなかった。これではプロにドラフト指名されることはない。でも、「蕾」(コブクロ)のお母さんは、どうやって「手のひらじゃ、つかめない、風に踊る花びら、立ち止まる肩にひらり、上手に乗せて笑ってみせた」ことができたのだろうか。
僕とM嶋医師は一緒に三宿で昼食を食べた。仙台和牛のあぶり焼き定食。そして珈琲でも飲もうか、と入ったのが「ビストロ KANA」。
よもすれば通り過ぎてしまいそうな狭い間口、マンションの1階にある小さなビストロだ。ピークを過ぎているとはいえ、まだ午後1時過ぎ。珈琲だけでは気が引けたが、オーナーの若き美しい彼女が「ぜんぜん構いません」というので、お言葉に甘えて、アイス珈琲2つとポテトフライ、それにランチのスパゲッチイなど、ついついオーダーしてしまった下心まる出しのオッサン2人。
ああ、こんなオシャレな店でいつかはまったりと、夕暮れのビアでもと思いつつ、東北地震の深刻な話を延々と・・・。話相手は軍人さん、放射能や現地の惨状は政府が公表できない情報を全て持っている、嗚呼ニッポン。
そこへ、予備校時代の同期生、レッドキングF島から「特注の靴が出来ました」とグッドタイミングで連絡が来る。夕刻、下北あたりで会う約束。午後2時すぎ、M嶋医師は病院へ、僕は三茶方向へと別れた。
(ビストロ KANA=世田谷区池尻1−11ー8 和光ハイム105 水曜定休 ランチは木も休み ℡=03-3487-9363)