少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

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翌15日(火曜日)。TKと新安城のカラオケスナックで飲む。
実はこの店、僕が最近見つけた、新安城で唯一のスナック。「食事処」の看板が出ていたので飲食店だと間違えて入ったのが、今年の夏。
「スナック」という領収書だと、経費で落とせない社用族のための、名前だけ「食事処」だと聞き、う〜ん納得、裏ワザだね。
カラオケの音質がすこぶるいいし、火、水曜日はカラオケ代無料キャンペーンに釣られて夜な夜な出没していた。
聞けばTKは9年前の開店以来、その店の常連で僕と会った土曜日も来ていた・・・という。
「なんだ、んじゃ飲もうぜ」と言うことになり、名古屋ドームでの日本シリーズも気にしつつ、8時過ぎに待ち合わせ、3時間で二人で焼酎のボトル2本を飲む。
2人で飲むのは初めてで、無料のカラオケ、仲間の消息、地元の四方山話、チェーンスモーカーのTKのタバコの煙。僕らはかなり酔っぱらった。50過ぎのおっさん二人で短時間でボトル2本はさすがにきつい。
明日は、東京から商談でお見えになる彫刻家の山本先生と10時30分に国鉄刈谷駅で待ち合わせだ。う〜ん、やってもうた・・・。
TKとの会話の中で気になった一言。
「お前らはよそ者だで、この辺のこと、よう知らんだらあ・・・」
僕が東京から安城に来たのは小学校に入学する直前。
井畑、石橋という戸建の分譲団地が、田んぼの中に忽然と出来たのが、昭和40年代初頭。その中には商店街も出来、ふつうに引っ越してきた僕らは、特に何も考えていなかったが、先祖代々から住んでいた人々にとっては、まさに「よそ者」の宇宙人だったに違いない。
蔭ではそう呼ばれていたのかも知れないが、目の前でそう呼ばれたのは生まれて初めてだった。特に何の感情もないが、新鮮な気持ちと、なるほどな、という納得する気持ち、気付かなかったことに気付かされた、ちょっとした興奮・・・とまあ、そんな感じかな。
分譲団地は巨大で、ほとんどがトヨタ関連の仕事で名古屋を中心に安城より都会から移住してきた家族が大多数を占めていた。そのせいかどうかという確固たる根拠はないが、子供たちの偏差値は高く、秀才団地とも呼ばれていた。確かに一学年下の安藤くんと、すぐ隣の家の井上くんも現役で東大。京大、同志社立命館も草野球仲間だし、名古屋大学はそれこそ複数いる。いつかブログに書いた一歳年下のJUNKOも御茶ノ水か津田塾のどっちかに行ったはずだ。
子供の僕らは、そんなこと、ほとんど気にしてなかったけどPTAの間では、有名な団地だったらしい。
今、思い出してみると、確かに団地以外の友達の家では、神社のお祭りの日は、たくさんの親戚が友達の家に集まったり、杉山、田中、稲垣、畔柳という同じ苗字がやたら多かったり、家がでかくて古かったり、本家(ほんや、と読む)がどうしたという大人の話を聞くたびに、僕はずっと本屋(BOOK)を連想していたし、「まっとグロによせい」という言葉の意味が分からず、その意味が「もっと隅に寄せなさい」という意味だと知ったのはつい最近のことだし、「おでん」はこちらでは「関東煮」と言うそうで、「おでん」を注文すると「味噌田楽」なるものが出てくるので飲み屋でトラブルになったりと、確かにアカン警察にお世話になりそうなことはままある。
それら「もろもろ」の「もやもや」がTKの「よそ者」の一言で、すべてすっきりした。(つづく)