少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

790 柿の話

柿に興味があるわけでもなければ、特に詳しいわけでもない。果物の柿より、どちらかというと「柿の種」の方が好きだ。しかし、僕はこの秋、安城の3週間で、生涯で一番たくさんの柿を食べた。
とにかく、街のあちこちに柿がある。たとえば自宅裏の駐車場に2本。手を伸ばせば、誰でも簡単に食える。しかし、地元の人はそこまでして食べない。家にいっぱいあるからだ。
僕は裏の駐車場(他人の敷地だが)で少なくとも5個の柿をもぎ、その場で盗み食いした。喰っても喰っても柿は減らない。カラスと競争だ・・と思っても、田舎のカラスは食糧豊富とみえて、わざわざ町まで出張にも来ない。僕一人ではとても食べきれない量だ・・・と悩んでいたら、柿の木の持ち主が通販の高枝ハサミを持ってきて、根こそぎ持っていきやがった。
しかし、柿攻撃はまだまだ続く。家で採れたから、親戚からむらった(三河弁=もらう)から、道に落ちとったから・・・と知人友人、店のお客さん、従業員の人たちが続々と持ち寄ってくれる。
柿に興味のない僕だったが、自然と毎日、何個も喰らう。従業員のHちゃんの皮の剥き方はダイナミックだ。いくらタダだからって、そんな大胆な・・・。貧乏性の僕は基本、皮ごと食べるのだが、それを見ると彼女たちは、剥いてくれる。だから、また食べる。
柿には堅さがあり、それぞれ好みの堅さがあるそうだが、僕はガツっと掴んだ奴を食べる。誰かが、それよりこっちの方が旨い・・・と忠告するも、僕は聞かない。これは僕と柿の真剣勝負であり運命なのだ。最初に手にした柿の堅さ、歯ごたえ、甘味を楽しむ。まさに一期一会ではないか。
それにしてもMちゃん店長が持って来た柿は見事だった。聞けば岐阜の柿農場からのいただきもので、販売用の柿だそうだ。東京のスーパーに並んだら(安城でもだが)とても買えない代物だろう。そいつをいくつもいただいた。
こんなにあるならチョコバナナみたく、チョコ柿にしてやろう・・・とたくらみ、チョコを溶かし、柿にからめたが、一晩冷蔵しても固まらない。どういうこっちゃ。Hちゃんが言うには「柿の内部エキスにチョコを固まらせない分泌物がある」とか。僕は知らなかった。せっかくいいアイデアだったのに。
本日の日替わり弁当には柿のてんぷらも出た。2切れくらいならいける。モーニングセットにも柿が付くし、午後コーヒーを飲んでいたら、お茶受けに、また柿が出た。つい食べてしまう。こんな日々は生まれて初めてだ。
柿にもいろんな種類があるのだろうが、興味がないので聞く気にも調べる気にもなりません。ちなみに僕の中にもタカキという柿がいるのですが、あまり興味がありません。
Mちゃん店長は一生、お米と野菜と果物は無料だそうです。同級生のTKも、「毎年、時期が来るとおんなじ野菜とか果物を毎日毎日、食べにゃああかんだ」と自分の畑で自給自足。豊明のF橋の家に行けば、誰も食べないトマトが、地面に落ちて翌年の肥しになってるし、知立のHT君の駐車場にも見事なスイカがいくつも転がっていた。「そんなもんで良きゃあ、いくつでも持って行っていいよ」と言うので、かつて所有していたBMWのトランクに詰め込んで、東京に持ち帰ったこともあったが、そのスイカの旨かったこと。東京で買えば3000円はしただろうて。
母親の長野の親戚からは、見事な信州リンゴが送られてくるが、今年もそれが来た。柿に続いてリンゴ攻撃。ビリケンの階段にはいただきもののキウイやサツマイモも飾られている。裏の駐車場に佇んでいると、隣のおじさんが、「このみかん旨いから一個食ってみや〜」と境界のない庭に生えた木からみかんをもいでくれる。
子供のころの学校帰り、畑の梨をちぎってはぶつけ合いもした。
イトーヨーカドーで野菜や果物にゼニ出して買うことがバカバカしくなってきた。「本当に住みやすくていい町よ〜」とMちゃんの言葉に、つい移住を考えてしまうが、日没と同時に人影がなくなる、この町の光景に、きっと僕はついていけない。