少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

857 明治の神棚

なんともすさまじい神棚が我が家にある。
10年ほど前、骨董屋の松ちゃんが、茨城だか栃木だかの神社の解体から出たものだといって持って来た。幅1600、奥行き1100、高さ1400もある巨大な神棚で、すぐに気に入った。しかし、置く場所がない。いや、あるにはあるのだが、むちゃくちゃ場所をとるので、実は困ったが、結局3万円で購入して、無理やり一階に入れた。
しかし、年末の大掃除でいよいよそれを外に出さなければならない。持ち上げるのに、大人2人でも超きつい。五十嵐隊長に手伝ってもらったが老朽化で土台部分と神殿部分が分離してしまった。
五十嵐隊長は「安ちゃん、これ無理だよ。廃棄廃棄」と言って笑い去ったが、そういうわけにはいかんだろう。なにしろ神殿だ、粗末にはできん。
神殿部分は丁寧に外に置いたが、土台部分はもはや修復不可能で、何とかしなければならない。積年の埃も半端じゃない。僕は。半日かけて、土台部分をはがし、すべてのパーツを水洗いした。
しかし、驚いたのなんの。
釘を一本も使わぬ寄木造り。まだ数えていないが、下部だけで、そのパーツは500以上はある。上部はもっと細かいので1000近くはあるだろう。本物の神社の図面を縮小したように、1ミリの誤差もなく精密に作られ、精密に組まれている。研究者と技術者でなければ復元は不可能だ。また、ちりばめられた彫刻も美しい。本殿の屋根は平等院風で、これも風格がある。明治を通り越して江戸まであるかも知れない。
松ちゃんに電話を入れても繋がらない。もう死んじゃったのかなあ?
一応、水洗いしたパーツは段ボールに入れて保存するが、いやはや、もの凄い技術だ、昔の人は。
そりゃ、もの凄い埃でばばっちいけどさ、建築関係に興味ある人が見たら唸る逸品に間違いないです。さて、どうやって保存しようかな。