少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

878 117阪神淡路大震災

あれから17年、阪神淡路大震災。1995(平成7)1/17-AM05時46分52秒。
日刊ゲンダイ記者時代、僕は立川で、あるプロ野球選手の取材を終え、自家用車で中央自動車道を国立ICから乗り、高井戸出口で降り、環状8号線を南下し、自宅のある千歳船橋へと急いでいた。眠い、それに、ひとりで留守番しているチャミーのごはんと散歩が気になっていた。
カーラジオで「関西で大きな地震が発生した」と聞いたのは、間違いなく6時を回っていた。ものすごく静かな冬の朝、空気は冷たく、まだ暗い。それでもゲートボールのお年寄りたちが集まって、ボールを打つ光景を運転席から横目で見ながら、このニュースを聞いた。鮮やかに記憶している。
自宅に戻るとチャミーが飛びついてきた。寂しかったのだろう。ごめん、ごめん。眠くてたまらなかったけど、お約束だ、散歩に行こう。帽子を被り、軍手をはめ、散歩に行く。サラリーマンやOLさんに混じり、白い息のオッサンが赤い紐で、白い犬を連れ、寝不足顔で住宅街を歩く。チャミーの息も白い。
自宅に戻り、チャミーに朝ごはんをやり、シャワーを浴びる。ニュースを点けた。アナウンサーは地震の発生を繰り返すが、まだ映像はない。
現地はパニックなのに、東京はいたって平和な日常だ。早く眠ろう。食事もせず、ベッドに入るが、チャミーがまとわりついてくる。
3〜4時間は眠れただろうか、昼ごろ起きて、テレビを点けるとヘリからの現地の映像が・・・。ところどころで煙の柱が立っている。
凄いことになっている・・・。ただ黙って一時間ほど映像を見る。早めに出社した方が良さそうだ。出がけにぐずるチャミーをエサで釣り、その隙にチャミーに悟られぬように、そっと裏口から隣家の塀を越え、築地の会社へ行く。
社内のテレビは全放送局のチャンネルが映っているが、慌てる者は誰ひとり居ない。ただ生活情報局のSデスクが受話器で怒鳴っている。聞くと、若手のM記者が独断で神戸に向かったという。
難しい、良く言えば積極的な行動派、悪く言えば身勝手。記者の裁量や日ごろの上司との付き合い方や評価によって、その行動は完全に二つに分かれる。M記者もギャンブルに出たのだろうが、上司の判断は凶と出た。
Sデスクはカリカリしていた。「あの野郎、勝手なマネしやがって」。
その件に関しては誰も触れない。触らぬ神に祟りなし・・・だ。
我が運動部は蚊帳の外。不謹慎だが「これできょうは原稿が少ないぞ」とバカが喜ぶ。「今夜は早仕舞いですね」とアフォが応える。悲しいかな、これが実態だ。(つづく)