少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

880 117阪神淡路大震3

神戸にも東北にも僕は行くことができない。ジャーナリストとして現場を目撃したいという気持ちは人一倍ある。報道という義務があるなら、それは行く。しかし、興味本位では行かない。失礼だし、自分の存在が復興の邪魔になる。そして、それとは別に体質的な問題もある。特定の人数の方の残された思いなら、受け入れることはできる。しかし、不特定多数の方の思いを受け入れる能力も準備も、今の僕にはない。僕が行けば自分自身が大変なことになるとわかっている。
親しい二人の男が現地に入った。ひとりは東京中日スポーツの後輩K。独立して会社を経営している。神戸入りした理由は、彼の旺盛な好奇心からだった。
飲み屋で口論となった。「何のために行ったのか?そしてお前は何をしたのか?」と。彼にも言い分がある。好奇心もある。ジャーナリストとしての魂もある。気持ちはよくわかるが「ただの見物じゃなかったのか?」という僕の問いかけに、彼はおそらく傷ついた。
いくら義捐金を出したか?という話題になった。僕は3万円、彼は5万円だった。で、どこに寄付した?と僕が問うと、彼は臆面もなく「日本赤十字」と答えた。そして僕が切れた。
「お前、ジャーナリストのくせに日本赤十字が、どんな荒い運営で、その寄付金がどうなるかも知らないのか。なんでそんな団体に寄付したんじゃ」と飲み屋で掴み合いの喧嘩になる。今回の東日本大震災で「日本赤十字」の呆れた実態が天下のもとに晒されたたが、そんなことは今に始まったわけではない。本当に必要な経費は必要だが、寄付金、義捐金から利益を得るような団体に何故?日本赤十字の不透明な義捐金の流れを、マスコミはもっと追究するべきだろう。国民の善意は彼らのあぶく銭に化けている実態を国民はもっと怒るべきだ。
僕の3万円は、大学の同級生の家が被災されたので、直接、そちらにお送りした。「お前、神戸まで行ったなら、そこで野宿してる見ず知らずの人に一万円ずつ5人の方に配れば良かったんじゃないのか。赤十字ピンハネされたあげく、いつ届くかわからないお前の5万円は赤十字の口座名義で銀行の肥しとなり利ザヤとなって泣いているぞ」と言い、ぶん殴ろうとして店の人に止められた。
Kとは殴り合いしても関係が変わらない数少ない侍のひとりだが、時々こうしてお互いに掴み合う。それにしてもなぜ、お互いに寄付をして喧嘩になるのか?それは赤十字と行政のシステムがナンセンスだからだ。
(つづく)